ここから本文です

自治体が「公務員らしくない人」を求める理由。 (後藤和也 大学教員/キャリアコンサルタント)

3/15(金) 6:47配信

シェアーズカフェ・オンライン

3月の民間企業の就活解禁と同時に、公務員採用試験についても採用広報が開始された。

そんな中、奈良県生駒市がユニークな募集ポスターを作製したという。

『安定だけを求める「終身雇用熱望型」はエントリーしないで-。奈良県生駒市は1日、そんな思いを込めた職員採用試験のポスターを公開した。求めざる人材は他に「机椅子一体型」「思考停止型」「税金泥棒型」。
~中略~
担当者は「市民と一緒に課題を解決していける人材が欲しい。」
「終身雇用熱望型」はごめん 奈良県生駒市がユニークな募集ポスター 産経新聞 2019/03/01』

ポスターのデザインは洗剤の使用上の注意を模しており、上記の他にも「安全・安心・安定だけを求める人」には「やけどの危険」などの記載がある。

いわば「公務員らしくない」人材を募っていると言えるが、自治体がこのようなポスターを作製するのにはどのような背景があるのだろうか。かつて試験運営を担当した経験から、変わりつつある公務員試験について考えたい。

■公務員が「公務員らしくない人」を求める理由。
学生を対象にした調査によれば、公務員になりたいと思う理由を聞いたところ、1位が「安定している(79.5%)」、2位が「休日や福利厚生が充実している(66.9%)」、3位が「社会的貢献度が高い(47.9%)」という結果だったという(マイナビ 19卒公務員イメージ調査 2018年1月)。

上記調査では、そのほかの理由でも安定性や待遇の良さが挙げられており、公務員受験生の多くが安定・安心を志向していることがわかる。

一方、公務員の職場では財政難による定員削減や業務の多様化・複雑化により一人一人の負荷は確実に増大している。例えば児童虐待対応で話題となっている児童相談所の現場で働くのも公務員だ。現状では明らかに仕事ができない人や意欲に乏しい人もおいそれとは解雇できないため、仕事ができる人ほど疲弊するという事情もあるだろう。

精神的にタフで、前向きな改善意欲のある人材。現状を打破するには、そのようなスペシャルな人材を投入する必要があり、そのために従来公務員試験を受験しなかった層に何とかして振り向いてもらいたい。上記のポスターにはそんな自治体側の思惑があるのだ。

1/3ページ

最終更新:3/15(金) 6:47
シェアーズカフェ・オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

シェアーズカフェ・オンライン(SCOL)

シェアーズカフェ株式会社

SCOLはマネー・ビジネス・ライフプランの
情報を専門家が発信するメディアです。
現在書き手を募集しています。特に士業や
大学教授、専門家を歓迎します。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事