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営業マンにのせられアパート建築し…「相続税対策」の失敗事例

3/15(金) 15:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

今回は、ハウスメーカーや金融機関に勧められるまま相続対策を行い、納税資金が不足してしまうケースを見ていきます。※家庭裁判所に申し立てられる遺産分割事件の75%以上は遺産額5000万円以下の案件。相続問題は、お金が少ないほうが深刻化しやすいのです。その原因として、法定相続分を「機械的に・平等に分ける」従来の相続の考え方があります。本連載では、機械的な平等を排し、公平感があるように分ける「不平等相続」を提案するとともに、相続人の誰もが納得する相続のあり方を考察します。

業者や金融機関のトークに乗せられ、財産自体が減少!?

自社の商品を販売する目的のハウスメーカーや不動産会社、金融機関。そして彼らとタイアップしている税理士等からの軽妙なセールストークに惑わされて、子どもたちに継がせるための大切な資産が少なくなっていきます。そして、その魅力の少ない資産が原因で相続人同士の争いが起きてしまうのです。

例えば、相続財産のなかに駐車場があるとしましょう。駐車場は、更地の評価になりますから、このまま所有していると相続税評価額は100%になります。しかも、更地なので固定資産税もアパートが建っている土地よりも高くなります。駐車場収入のほとんどは、固定資産税を納税したらなくなってしまうという人も多いかもしれません。

そこでハウスメーカーと金融機関が提案するのが、アパート(賃貸住宅)の建築です。

確かに固定資産税や相続税といった税金は下がります。まず、アパートを建築することで、固定資産税の課税標準額が6分の1となり、固定資産税が大幅に減少します。そして相続税評価額についてですが、土地は貸家建付地となるので、相続税評価額は約20%減額されることになります。また、借入れでアパートを建築することになるので多額の債務が発生します。アパートの相続税評価額とアパートローンの債務残高の差額が債務控除の効果を生み、相続税が減税になります(図表1参照)。

[図表1] アパート建築による相続税対策のスキーム

また、空室が心配であれば、ハウスメーカーが提携している不動産会社が一括して借上げをするサブリースを利用すればいいと伝えられます。入居者の需要を満たすために必要と言われ追加した豪華な設備は、受注額を上げるための作戦であったりするのです。さらに、空室が出ると「今時の入居者は、希望する間取りや設備、そして維持管理がしっかりしていないと選んでくれません」などと言って、無駄ともいえるリフォームをさせられて費用がさらにかさむこともあるようです。

アパートを建てるときは豪華な設備を導入することで建築費が跳ね上がり、さらに賃貸経営をしているときもサブリースの利用で相場より安い賃料設定になり収入減となるため、アパートを建てたもののあまり収益が上がらない状態になります。しかし、ハウスメーカーや不動産会社は、建てたアパートで収益が出てしまうとその分、相続財産に加算されて相続税が高くなってしまうので儲からないほうが良い、という間違えた理論をオーナーに説明し、納得させてしまうのです。

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最終更新:3/15(金) 15:00
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