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ウイグルのカザフ族2000人に中国籍離脱と出国許可、その背景

3/16(土) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 中国政府が新疆ウイグル自治区に居住している少数民族のカザフ族住民2000人に対して、中国籍からの離脱と出国を許可していたことが明らかになった。

 同自治区内ではカザフ族を含む100万人ものイスラム教徒らが再教育センター(強制収容所)に収監され、基本的な人権すら認められていないとイスラム教国や欧米諸国から批判されていた。

 その一方で、オーストラリア政府は豪州国籍を持つウイグル系住民17人が新疆ウイグル自治区に里帰りした際、身柄を拘束されたとして、即時解放を求めている。AP通信や英紙「ガーディアン」など複数のメディアが報じた。

 それによると、中国当局は1月下旬、すでに収容所に監禁されているカザフ族2000人に対して、中国のパスポートまたはカザフスタンのグリーンカードを返還したうえで、希望者は中国籍を離脱し、出国しても良いと通告した。すでに、カザフスタンに戻っている中国籍の親族も同様の措置をとるとしている。

 新疆ウイグル自治区では強制収容所に収監された少数民族の住民が釈放されるのは極めて異例で、しかも中国からの出国を認められた例はほとんどない。

 この背景には、カザフスタン政府に対して、「親族が中国内の強制収容所に収監され連絡がとれない」との訴えが多く寄せられており、カザフスタン外務省が中国外務省に問い合わせていることがある。

 中国とカザフスタンは友好関係にあり、中国共産党指導部が力を入れている「一帯一路」プロジェクト参加の最有力国だけに、中国当局もカザフスタン側の問い合わせを無視できなかったとみられる。

 海外カザフスタン人の権益保護を目的とする同国の非政府機関(NGO)は米ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、「出国を認められたカザフス族の人は再教育センターに拘束された経験のある人で、カザフスタンにいる親族が彼らの釈放を求めてここ数カ月、政府に強く働きかけてきた。出国はカザフスタン政府の要請に基づいたものだ」と指摘している。

 カザフ族が釈放されている一方で、2月中旬には豪州国籍を保有するウイグル系イスラム教徒17人が、新疆ウイグル自治区に春節で里帰りしたまま消息不明になっていることが分かっている。

 オーストラリア政府の問い合わせに対して、中国当局は現段階で「現段階で、答えられるほどの情報はない」としている。

最終更新:3/16(土) 7:00
NEWS ポストセブン

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