ここから本文です

女子美術大学付属中学 偏差値38でも2年連続応募者増のなぜ

3/16(土) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 偏差値が高い学校は募集人員も多く、大きく増えることはあるが、40以下の学校が40名規模で増えることは少ない。その学校とは、女子美術大学付属中学である。ちなみに前年も調べてみたところ、29名増と連続して増えていた。

 いまどきの保護者が選ぶ学校像からするとそぐわない学校である。HPをのぞいてみる。「特色ある授業」はどの教科も生徒の作品が出てくる。国語の「故事成語カルタ」や、数学の「正多面体」など、どれもカラフルで明るい。1日の生活時間もふんだんに生徒のイラストが入っている。全体に明るく楽しい雰囲気が充満している。他校の情報量優先、硬派な印象のHPを見慣れた目には新鮮に映る。

 少しでも効率よく学力を伸ばしたいという多数派の潮流からすれば、時代に合わない感じすらする。

◆伸び伸びと過ごさせたい

 四谷大塚に聞いてみると、女子美はもっとも第一志望率が高い学校だという。そのデータ通り、偏差値に関係なく「好き」で受験してくる子どもが多く、合格すれば抜けないから繰り上げを出すこともない。ほとんどの受験生は多くの学校を受け、少しでも偏差値の高いところに進学するので、繰り上げを出す学校が多いのとは対照的だ。

 実際に知り合いの女子美の先生に聞いてみたところ、学校説明会ではこんな話をしているという。

・美術は何もないところから何かを生み出していくこと
・作品に取り組むことは答えのない問題を解決していくこと
・いいものをたくさん観て鍛えられた感性が斬新な発想を生むこと

 はからずもAIの発達するこれからの時代に必要とされる能力、資質について語っていることがわかる。ちなみに、卒業生の仕事を見ると、8割以上がMacやiPadを使って仕事をしているため、今年の入学生から全員にiPadを持たせるという。

 一方、昔からのこんな面もある。受験前の夏、秋にある体験教室に来ている受験生が多く、一人ひとりがそれぞれの作品制作に向きあい、それを教員がかがんでアドバイスするという。そうした光景を目にした保護者が、この学校に入学したら、わが子も親身に接してもらえるのではないかと安心するようだ。

2/3ページ

最終更新:3/16(土) 7:00
NEWS ポストセブン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事