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エージェンシーに蔓延する「職場いじめ」:「図太い神経を持たないといけない」

3/16(土) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

1月初頭、とある広告エージェンシーのアカウントディレクターのひとりは、同エージェンシーのふたりのシニアレベルの社員と一緒に会議室で座っていた。彼女たちとスピーカーフォンを通して会話をしていたのは、彼女たちのクライアントである、フォーチュン500に含まれるブランド企業のブランドマネージャーだ。このクライアントはスピーカーを通して彼女に罵詈雑言を叫んだ。表面上はひとつの問題に関して、クライアントが怒っているという事態だったが、この問題はエージェンシーの責任ではなかった。しかし、彼女によると、クライアントの口調はすぐに問題に対する不満を述べるというよりも、「100%いじめだと証明できる」レベルへと移ったという。

その後、彼女はエージェンシーの人事部に向かった。クライアントが彼女に罵詈雑言を怒鳴りつけるという事態は、これまでも何度も起きており、それがまた起きたと伝えた。だが、人事部は何もしなかった。シニアエグゼクティブたちは、彼女にただ「我慢して受け入れろ」というだけだった。

エージェンシー内でシニアレベルやジュニアレベルの役職の従業員たちを対象にインタビューを行うと、いじめ・口頭でのハラスメントといったパターンが浮かび上がってくる。エージェンシーには「拒否される/否定される」ことが常であるという文化があるため、それがいじめ文化につながっていると指摘する人もいる。サービス業界では力関係の不均衡や、そこで「図太い神経を持つ必要がある」ことは自然だというわけだ。

77%は言葉によるもの

米DIGIDAYの調査もこの現象を証明している。446人のエージェンシー勤務の人々を対象に行われたDIGIDAYリサーチによると、ハラスメントや差別はエージェンシーにおける問題として依然残っていることが分かる。1月に行われたこの調査では女性のうち49%が職場におけるハラスメントの被害にあったと申告している。男女ともに職場のハラスメント被害にあったと答えた回答者のうち、77%は言葉によるハラスメントを体験していた。

ハラスメントを体験した男性の82%が、女性の74%が言葉によるものだと回答している。

具体的な発言内容はあらゆる物が並んでいる。大声で怒鳴りつけられる、罵倒される、という体験をした人物は、この上司はただ自分自身がタフであるということを上の役職たちに見せたかったから自分を罵倒する相手として使ったと感じたという。「言葉によるいじめ、ハラスメントがエージェンシーに存在していることは疑いようがない。彼女(上司)とそのさらに上司のあいだに何らかの関係性があり、その結果、上司は虐める側である(=タフである)と見られたがったのだろう。自分を証明しようとしてやり過ぎた結果だ」と、この人物は説明する。

また、別の人物は、社内で特定の人物から罵倒のターゲットにされるといういじめを受けたという。「この人は私のことを『お前はぐうたらなロクでなしだ』と呼び続けた」と、彼は証言する。また、この人物は、彼だけをターゲットにひたすら狙っているという空気があったという。ミーティングでは彼を見下した口調で話し、彼に関するゴシップを社内に広める、といった具合だ。「彼が私のことを気に入らなかった、という以外に理由はなかったように思う」と、彼は言う。さらには、この被害者が、職場の誰かと不倫をしているというウワサが広まるにまで至った。このいじめは、問題の人物が昇進し、別のオフィスの運営へと移行したことで終わった。

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