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薬物治療中、災害への備え

3/16(土) 8:31配信

月刊糖尿病ライフ さかえ

患者さんのお薬に対する疑問に答えます お薬Q&A【5】災害時に気を付けること

Q:災害時の避難所生活では何に気を付ければいいですか?

○薬の残数
避難所に医療チームが到着するまで、どれくらいの時間がかかるか分かりません。また、災害発生直後は重症者が最優先で治療されます。災害時に、すぐ持ち出せるように普段から1週間分ぐらいの薬を用意しておくことをお勧めします。そして、飲み切ってしまう前に対応できるように、いつも薬が手元にどれくらいあるのかを確認するようにしましょう。


○医療チームの存在
避難所も医療チームが常駐している所もあれば、巡回のみの所もあります。巡回のみの所は、巡回時間を把握しておくことも大切です。糖尿病治療薬の中断は、生命に関わる重大な事象を引き起こしかねません。一人で悩まず、分からないことは必ず相談しましょう(糖尿病患者さんは、外見上健康な人と変わらないため、黙っていては助けてもらえません。医療関係者には自分のことを隠さずに具体的にアピールしてください)。


○お薬手帳
薬の残数が少なくなってきたら、医療チームの薬剤師から薬を交付してもらわなければなりません。このときに役に立つのが「お薬手帳」です。糖尿病治療薬に限らず、薬にはさまざまな種類と規格(1錠当たりの用量)があります。正確な情報がなければ、必要な薬をお渡しすることが困難です。必ず一冊にまとめておきましょう。医師や薬剤師はカルテがない状況でも、整理されたお薬手帳を見れば、どのような病気をもっているのかを予想することができます。これ以上、心強い情報はありません。


○水分の摂取状況
トイレに頻繁に行くことを避けるために、水分摂取を制限する方もおられますが、脱水は血糖値に悪影響を及ぼします。また、尿から排せつされる薬もあるため、薬の効果にも大きな影響を与えることがあります。水分補給をしっかり行い、脱水状態にならないようにしましょう。


【避難所での事例】
(1)持効型インスリンを使用中であったが、注射針が切れてしまい、インスリン注射を数日間中断したため、高血糖に陥った。→持効型インスリンなど、2型糖尿病患者さんでもインスリンを中断してはいけない場合があるので、ご自身の使用しているインスリンについて正しく認識しておきましょう。


(2)避難所では食欲が湧かず、食事量がいつもより少なかったが、薬は真面目に決まった量を服用していた。夜中に低血糖のため転倒し、数針縫うことになった。→食事量に合わせて調整が必要な薬は、ご自身で把握しておくことが大切です。普段から確認しておきましょう。

*日本糖尿病協会ホームページ「災害にあったときには」にさまざまな情報がありますので参照してください。

国家公務員共済組合連合会 六甲病院
糖尿病療養指導士兵庫県連合会 理事
西濱 輝美(にしはま・てるみ)
※ご所属は誌面掲載当時のものです


※『月刊糖尿病ライフさかえ 2018年5月号』より

最終更新:3/16(土) 8:31
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