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ダークウェブの存在は自由を生かすか殺すか「ネットの向こう側」から考える自由論

3/16(土) 10:00配信

FINDERS

似て非なる「ディープウェブ」と「ダークウェブ」

東日本大震災から8年が経った。震災を境にマスメディアでは「絆」という言葉が頻繁に使われるようになり、同時にネットではそれに対する違和感を主張する人が少なからず現れるようになった。人々の絆は、ネット空間側から見るとどのような姿に見えるのだろうか。

また海外に目を向けると、アラブの春やウォール街占拠運動など、インターネットが人々に連帯を与えた歴史的大事件がこの十年ほどで幾度となく起こった。一方で、インターネットはISIS・移民排斥・フェイクニュースなど、分断やヘイトの傾向も数多く生み出してきた。

木澤佐登志『ダークウェブ・アンダーグラウンド』(イースト・プレス)は、インターネット世界の中でも知られざるダークウェブの世界を読者に紹介しながら、現代社会を読み解いていく。

「『クラスタ』といった蛸壺化したグループを介して、なんとなく一体感や共同性を可視化することはできても、結局のところそれは錯覚でしかなく、個々人が自分だけの『世界』を形成して孤立していることに変わりはない」(P13)

「みんながこう言っている(から自分は違う意見を発言しづらい)」の嵐が吹き荒れるSNSのタイムライン上で「ゆで蛙」状態になってしまう同調主義。世界的に広がりを見せるポピュリズムと排外主義。そうした中で、ある種の「自由」が模索され続けてきたのがダークウェブと呼ばれるオンラインスペースだ。

「グーグルの検索エンジンがクロールできる領域は、今ではインターネット全体の4%に過ぎないといわれ、それ以外の、WEBメール、登録制のサイト、有料コンテンツ、学術データベース、イントラネット、ツイッターの鍵アカウントなど多岐にわたる領域は何らかの意味でアクセスが限定されている」 (P31)

グーグルが検索できる約4%のウェブ領域は表層ウェブ、そして検索できない残りの約96%はディープウェブと呼ばれる。例えば、googleがgmailについて説明したページは表層ウェブにあり、ユーザーID・パスワードを入力しなければ見られないgmailの送受信ページはディープウェブにある。本書のテーマとなっているのは、ディープウェブというクローズドな環境に存在しながら、専用ブラウザやソフトウェアがあれば閲覧可能なダークウェブである。ブラウザやソフトウェアがあれば、クローズド状態を解けるウェブ領域とご理解いただければよいだろう。

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最終更新:3/18(月) 10:26
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