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世界中で年間43万人が“座り過ぎ”で死んでいる!? あなたは大丈夫?

3/16(土) 9:08配信

FRIDAY

できれば「30分に一度3分」、少なくても「1時間に一度5分」は立って動く

こうした報告を受けて、一部の企業では立って働ける環境作りが進められている。

「ただ立っているだけでいいわけではありません。けれど、立っていると1歩踏み出しやすくなる。確認したいことがあれば、すぐ動いて聞きに行けますよね。立って仕事をすることで、さらに活動量を上げることができるのです」

仕事中座っている時間が2時間未満の男性は、6~8時間の男性に比べて結腸がんのリスクが37%低いというオランダでの疫学研究の報告もある。

そのうえ、社員同士のコミュニケーションが活発になり、職場に活気が出て、生産性が上がるという効果もあるという。

「理想的には30分に一度立ちあがり、少しでもいいから動いてください。30分ごとがむずかしければ、1時間に一度でもかまいません。これで座り過ぎのリスクはかなり減らせます」

どの程度動けばいいのか気になるところだが、岡先生によると、トイレに行く、お茶を入れに行く、コピーをとりに行く程度でよいのだそう。

「30分に一度、“軽い強度の歩行”と、“中程度の強度の歩行”で座り過ぎを中断したとき、血糖値がどのくらい変わるかを比較実験した結果、どちらの歩行でも効果にほとんど差はないという報告があります。また、ずっとデスクワークをしていると、夕方ものすごく疲労感を感じることがありますよね。ところが、30分に一度“立ち歩く”と、その疲労感が圧倒的に改善されたというデータもあります」

その場でかかとを“上げ下げ”したり、少しひざを曲げる(スクワットする)だけでもOK!

席を離れることがむずかしいときは、デスクの前でまっすぐ立ち、背伸びするようにかかとを“上げ下げ”したり、少しひざを曲げる(スクワットする)だけでもいいという。

「仕事は座ってするものだと思っている人がいるかもしれませんが、メールは座っていなくても読めるし、資料だって立って読んだっていい。ぜひ“立つ”習慣をつけてほしいものです」

日ごろ座ってばかりだからと、運動不足解消のために、週末スポーツクラブに行っている人もいるだろうが、

「それで座り過ぎのリスクを十分に解消できるわけではありません。朝晩少しくらい歩いても、それ以外ずっと座っていればダメ。こまめに動くことが大事です。

固定電話しかなかった時代は、電話が鳴ると電話があるところまで歩かなくてはいけなかった。でも、今は座ったままで電話に出ることができる。照明やテレビも、リモコンや語りかけるだけでつけられる。インターネットを利用すれば買い物に行かなくてもいい。便利な時代になったからこそ、“座り過ぎ”に注意しなくてはなりません」

平均寿命が世界トップと言われている日本人だが、座っている時間が世界一長いというデータもある。いくら長生きしても、健康でなければ仕方がない。今日からスマホにアラームをセットして、忘れず1時間に5分のブレイクを入れてみよう!

岡浩一朗 早稲田大学スポーツ科学学術院教授。研究分野は健康行動科学、行動疫学。今日の日本人の身体活動(運動)不足を無理なく解消させる方法が研究テーマ。国民の健康寿命を延ばすことへの関心の高さから研究動向が注目されている。著書に「長生きしたければ座りすぎをやめなさい」(ダイヤモンド社)、「『座りすぎ』が寿命を縮める」(大修館書店)がある。

取材・文:中川いづみ

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最終更新:3/18(月) 12:51
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