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ドリームマッチの真実。王者・田中恒成はなぜ田口良一を指名したのか

3/16(土) 8:40配信

webスポルティーバ

ボクシング「田中恒成×田口良一」の軌跡@後編

 3月16日、ついにWBO世界フライ級チャンピオン田中恒成(23歳/畑中)と、元WBA&IBF世界ライトフライ級統一チャンピオン田口良一(32歳/ワタナベ)が激突する。見逃し厳禁の一戦について、両選手に話を聞いた。

【写真】非エリートボクサー高橋竜平

 チャンピオンの田中恒成がWBO世界フライ級王位の初防衛戦の対戦相手に田口良一を指名したのは、くみし易(やす)しと判断したためか?

 答えは真逆だ。田中は、「田口さんは強い」と断言する。

「指名戦ではないので、やらなくてもいい試合と言われれば、その通りかもしれない。でも、やりたいからやる。ただ戦いたい。

 偉そうな言い方に聞こえたら申し訳ないんですが、客観的に見たとき、王座陥落後の田口さんのやりたい試合は、(ヘッキー・)ブドラーとの再戦か、俺との試合くらいだったと思うんです。ブドラーとの再戦がなくなったことを知り、『じゃあ、やりませんか?』とオファーさせていただきました。

 あの時(2017年)とは状況も立場も違うので、この試合が別物だと言えば別物なんです。ただ、どこかで自分の言葉に責任を持つための戦いでもあります」

 しかし、その心意気は理解できても、“あの時”と“今”では、リスクとリターンのバランスがあまりにも取れない。それでも田中は、「バランスの話ではない」と一蹴した。

「以前の発言をなかったことにしても、田口さんが戦いたい選手であることは間違いない。田口さんは強いですから」

 田口との対戦を希望したのは、それ自体がまさに田中のイズムと言っていい。

「チャンピオンになると、ベルトや地位を守りたくなったり、金や名誉がほしくなるんですよ。でも、僕が本当にほしいのは、そういったものじゃない。ボクシングを通して、カッコよくなりたいんです。

 たとえば、僕はいつまでも『漢気(おとこぎ)のあるマッチメイク』を組めるボクサーでいたい。僕がプロ4戦目で東洋太平洋のベルトをかけ、原隆二さん(大橋)に挑戦させていただいた試合は、何者でもなかった僕にとって、挑戦を受けていただけたのはメリットしかないんです。逆に原さんには、メリットがまったくなかった。それでも、『やりましょう』と承諾してくれた。

 ボクシングのマッチメイクは、ジムが断ったのか、選手が断ったのか、表には出ない部分があります。もちろん、ビジネスという側面もある。ただ僕は、いつか何の実績もない若手が『やりましょう』と言ってくれた時に、メリットがあるかないかで二の足を踏む選手にはなりたくない。どんな時でも、『じゃあ、やりましょう』って心意気を持っていたい」

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