ここから本文です

カーリング界の新ヒロイン・北澤育恵は「練習嫌いの天才」

3/16(土) 17:24配信

文春オンライン

 2月に札幌で行われた日本カーリング選手権大会。本命視されていたのは平昌五輪銅メダリストチームのロコ・ソラーレだったが、予選リーグ、プレーオフ、決勝戦と3度にわたって中部電力と対戦した。勝利を収めたのはいずれも中部電力で、とりわけ決勝戦は11-3という大差のゲームとなった。結果、中部電力は10戦10勝で通算6度目の優勝を飾り、「世界行き」の切符を手にした。

【写真】ジュニア時代から同じチームで活動した中嶋と北澤

 3月16日、カーリング世界選手権がデンマーク・シルケボーにて開幕する。

最後に投げるフォースは得点に直結するポジション

「確かに調子いいですね。あの人、練習嫌いなんですけどね」

 チーム最年少で新スキップの中嶋星奈は小首を傾げ、笑いながらチームのフィニッシャーである北澤育恵について言い放った。昨年の夏のことだ。

 中部電力はワールドカーリングツアーの国内タイトル「どうぎんカーリングクラシック」に出場していた。平昌五輪というマイルストーンは過去のものになり、チームは次の4年、北京五輪を目指し、そこで勝てるチームに強化すべく、新しい布陣を模索している過程だった。

 創部からの唯一のオリジナルメンバーで、昨季まで主将としてチームを牽引していた清水絵美をマネージャー兼フィフス(控え選手)としてコーチボックスに置く。

 安定したショットとスイープが求められるリードに石郷岡葉純、チーム最年少の中嶋をセカンドの投げ順ながら司令塔・スキップに抜擢し、スイープとショットでリスク管理をする攻守のスイッチャーとして松村千秋をサードに。そして得点に直結するポジション、最後に投げるフォースを北澤に任せた。

スキップとフォースの役割分担を明確にした

 カーリングはこれまで、多くのチームが司令塔であるスキップと、フィニッシャーであるフォースの役割を兼ねる布陣を敷いてきた。例えば、平昌五輪のカーリング女子上位4チーム、スウェーデン、韓国、イギリス、そして日本代表ロコ・ソラーレの藤澤五月もスキップでありフォースである。

 しかし、中部電力はスキップとフォースの役割分担を明確にすることで、フォース・北澤に自身のショットに集中させる選択をした。世界のトップもいくつかのチームが採用しているこのスタイルと、ジュニア時代から北澤をよく知る中嶋をハウスに立たせ、北澤のショットを最大限に引き出そうとしたチームの思惑がハマった。その並びで同大会に挑むと、予選からショットが繋がり、初の決勝進出を果たす。

 特にテイクを中心に、好ショットを連発していた北澤のパフォーマンスは出色だった。それについて、「北澤選手、決まってるね」と中嶋に声をかけると、彼女は冒頭のセリフを発したのだった。

1/4ページ

最終更新:3/16(土) 18:15
文春オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ