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米大統領の「壁で拒否権発動」が巻き起こす長期的な停滞とは?

3/16(土) 18:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

3月15日、トランプ米大統領は「国境の壁」建設費用を巡っての国家非常事態宣言の無効を可決する決議案に対し、拒否権を発動した。この拒否権を止めるには、上下両院で3分の2の票が必要となる。トランプ大統領の「国境の壁」建設へのこだわりは強く、11日に発表された予算教書には、前回議会に拒否された額を上回る86億ドルの予算が要求されている。予算教書には民主党への攻撃を意図する予算案が目立つが、これらが今後の米財政や経済に与える影響は? Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bankの長谷川建一CIOが読み解く。

拒否権発動の阻止には、上下両院で3分の2以上が必要

米国上院は3月14日、トランプ大統領がメキシコとの国境に壁を建設する費用を確保するために発令した国家非常事態宣言を無効とする決議案を賛成59反対41で可決した。与党共和党のマコネル上院院内総務は、共和党所属の上院議員に対し、国家非常事態宣言の無効化決議案を否決に持ち込むよう訴えてきたが、共和党からは12議員が賛成に回る「造反」をした。なお、同案は2月に下院で可決・成立している。

翌15日には、トランプ大統領は議会が国家非常事態宣言を無効とする決議を通したことについて、米国にとって危険な決議案と非難した上で、多数の米国人を非常に重大な危険にさらすことになると指摘。トランプ大統領は、「拒否権を発動する務めがある」と述べ、議会上下院が可決した同宣言を無効とする決議案に拒否権を発動すると発表した。

下院のペロシ議長は声明で、非常事態宣言から憲法と民主主義を守るため、下院は3月26日に大統領の拒否権発動を覆す採決を行うことを発表し、対決姿勢を明らかにした。議会が大統領の拒否権発動を止めるためには、上下両院でそれぞれ3分の2以上で再可決する必要がある。現時点では、上下両院ともに再可決に必要な票の目算はたっていない。大統領の拒否権は発動されれば、非常事態宣言に基づき、議会を経ることなく予算執行されることになる。

今年初めの予算協議では、トランプ大統領は、民主党との折り合いをつけられず連邦政府の一時閉鎖を招く結果となって、最後は民主党に歩み寄る譲歩を余儀なくされた。しかし、今回の非常事態宣言では、トランプ大統領が壁の建設を支持しない議会をうまく出し抜いた形だ。

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最終更新:4/22(月) 16:00
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