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クイーンが伝説のステージを捧げたエチオピアの今

3/16(土) 17:00配信

日経ビジネス

 2月9日、エチオピアの首都アディスアベバに到着すると国際空港には人があふれていた。夜の時間帯に飛行機の到着が集中したためか、入国審査には長い行列ができている。誘導が適切でなかったため苛立つ人もいたが、多くの人は整然と入国審査の列に並んでいた。結局、入国するまでに2時間半を費やした。

【関連画像】中国の援助を受け建設中の巨大なスタジアム。漢字の看板が目立つ(写真:永川智子)

 アディスアベバにはアフリカ連合の本部がある。2月には同連合の総会があり、アフリカ各国から外交官やその関係者などが集まる。空港が混雑していたのはその影響が大きいが、そればかりではない。

 エチオピアが著しい経済発展を遂げている。過去10年は平均して年8%以上の成長率を記録し、2014年は世界一の経済成長率を達成している。人口は約1億人で、アフリカではナイジェリアに次ぐ2番目の規模。「最後のフロンティア」と言われてきたアフリカの中でも特筆すべき成長を実現してきた。

●クイーンの伝説のコンサートのきっかけとなった大飢饉

 エチオピアはかつてアフリカの貧困の代名詞だった。

 今年度の映画界を席巻した「ボヘミアン・ラプソディ」。クライマックスは英ロックバンド「クイーン」が1985年に出演した「ライブ・エイド」というアフリカ難民救済のためのチャリティーコンサートの場面だった。そのコンサート開催のきっかけになったのが80年代前半のエチオピア大飢饉で、100万人の死者が出たと言われている。その後、米国のチャリティー企画「USAフォー・アフリカ」でもエチオピアの映像が多く流れたため、貧困のイメージが世界中に広がった。

 だが、社会主義政権が打倒され、安定した政権運営が続くと、2000年代以降は高度経済成長期に突入。日本貿易振興機構(ジェトロ)アディスアベバ事務所の関隆夫所長は「時の首相が世界から政策を積極的に学び、生かしてきた」と指摘する。

 18年4月には41歳だったアビー・アハメド氏が首相に就き、改革を進めている。政治犯を釈放し、数十年間、対立が続いていたエリトリアと和平合意を締結。女性閣僚を増やすなどの様々な施策が世界の注目を集めている。

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最終更新:3/16(土) 17:00
日経ビジネス

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