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中国メディア 天皇生前退位を安倍首相批判に結びつけ報じる傾向

3/17(日) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 皇室には海外からも注目が集まる。海外メディアは、4月30日に迫った天皇の生前退位や皇室そのものをどう報じているのか。

 中国メディアは生前退位を安倍首相批判に結びつけて報道することが多い。

「看看新聞KNEWS」(2019年1月11日)は退位について、「日本天皇はなぜ安倍を支持しないのか」と題した記事で報じ、上海外国語大学日本研究センターの廉徳瑰主任の意見を掲載。

〈日本の改憲派は9条のことばかり口にしているが、実はあまり知られていないが、改憲派の草案には天皇への制裁を解除するというものがある(天皇を「象徴」から「国家元首」に変更することを指していると思われる)。それゆえ、明仁天皇は言ったわけだ。“私は退位する。もう天皇はやらない。私を国家元首にしないでくれ”と。なぜなら、今の天皇は反戦だから。安倍は非常に困っただろう。天皇が改憲を支持していないのだから〉

 天皇の退位の意向表明は、改憲阻止のためだったという歪んだ見立ては、日本でも政権に批判的な勢力で広まった。それをなぞった見解だ。天皇の動向が安倍首相批判の文脈で紹介される背景には、安倍首相は軍国主義者、右翼、天皇は平和主義者という認識がある。

〈明仁天皇は対外的に声を発する最後の数回で、常に平和主義の観点を強調。先月には誕生日の記者会見で「この時代に(日本で)戦争がなかったこと」について満足とよろこびを感じたと示し、日本国民に対して歴史を忘却してはいけないと求めた〉(「澎湃新聞」2019年1月2日)

 今上天皇については高く評価するが、昭和天皇に対しては「反日宣伝」の言葉が並ぶ。

〈明仁天皇の父親は、悪名高い昭和の裕仁天皇である。裕仁天皇はすなわち中国への侵略戦争と太平洋戦争を発動し、中国及び多くのアジアの国に深刻な被害を与え、戦争による甚大な傷と損害をもたらした人物である〉(「人民日報海外版」2019年1月3日)

 同記事には皇太子の人物評も載っている。これも安倍政権批判に利用している。

〈2015年、徳仁親王は戦後70周年の年に、明仁天皇と同じく歴史を正視するよう呼びかけ、「私は戦争を経験していませんが、戦争の記憶が次第に薄れていくなか、虚心に過去を振り返り、悲劇の経験と歴史を正しく伝えていくことが、今はとても重要なことであると考えています」と語った。

 こうしたメッセージは安倍晋三首相とその他の右翼分子に向けられたものと見る意見は少なくない〉(同前)

※SAPIO2019年4月号

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