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ヨーゼフ・ボイスとは何者だったのか?

3/17(日) 12:00配信

Casa BRUTUS.com

ボイスに迫るドキュメンタリー映画が完成! 彼は社会に対して、何を訴えていたのか?

20世紀を代表する芸術家、ヨーゼフ・ボイス 。しかし、その作品は難解でとっつきづらいのも事実だ。本人とも交流があり、幾度もボイス展を企画しているワタリウム美術館の和多利恵津子さんに、ドキュメンタリー映画『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』を通して、ボイス論を語ってもらった。

Q まず、映画の率直な感想を。

アート関係者も初めて目にする映像が多いのではと思います。監督自身が言っているように、関係者の証言で紡ぐのではなく、動くボイス、話すボイスの映像が軸なのもよかった。ボイスは数多くの名言を残したことでも有名ですが、それらを映像を通して本人の声で聞けたことにも感動しました。

Q 具体的に初めて観た映像は?

彼の代表作に『死んだウサギに絵を説明するには』というパフォーマンスがあります。野ウサギの死骸を抱くボイスの写真が有名ですが、この記録映像を観るのは初めて。まさかあんなふうに死んだウサギを動かして、絵に触れさせるパフォーマンスしていたなんて。

Q 和多利さんは1984年のボイス来日の際、本人に会われたそうですね。どんな人物でしたか?

東京を歩きながら樹木や植物で街の歴史を知る、まるで植物学者のような方でした。幸運にも制作の場に立ち会いましたが、集中力とエネルギーで時空が変わってしまいそうだったのを今でも覚えています。一方、話しているとジョークやエピソードで笑いを運んでくださる。作中で友人が「信頼のできる常識人」と語っていますが、大きな温かさのある方でした。

Q ボイスといえばフェルトや脂肪を使った彫刻が有名です。

そうですね。彼の経歴の中で、戦時中の墜落事故という重要なエピソードがあります。タタール人に介抱され、一命を取り留めるのですが、その時に体温が下がらないように体に脂肪を塗られ、フェルトで包まれた。このことは伝説のように語られてきましたが、映画の中で、ボイス自身が「それは事実だ」とはっきり話しているシーンがあり、感慨深かったです。

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最終更新:3/17(日) 12:00
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