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戸田和幸が分析するリバプールの勝因。バイエルンはなぜ「繋いだ」のか?

3/18(月) 20:20配信

footballista

【短期集中連載】 新世代コーチが見たUEFAチャンピオンズリーグ#4

欧州最高峰の舞台は目まぐるしいスピードで進化している。そこで起こっている出来事をより深く知るためには、戦術革命後の「新しいサッカー」に精通するエキスパートの力を借りるしかないだろう。それぞれの方法で欧州サッカーのトレンドを探究する4人の新世代コーチに、CLラウンド16の“戦術合戦”を徹底分析してもらおう。#4はサッカー解説界の第一人者でありパイオニア、指導の現場でも腕を磨く元日本代表の戸田和幸が登場!


文 戸田和幸(サッカー解説者)


 リバプール vs バイエルンというビッグクラブ同士の闘いとなったラウンド16屈指の好カード、2月19日にアンフィールドで行われた第1レグはリバプールサポーターが作り出した圧倒的な雰囲気の中、バイエルンが冷静なファイトを見せ0-0、その後数週間を経ての決戦となった。

■有利なはずのバイエルンの「恐怖」

 0-0で迎える第2レグ。

 これについて皆さんはどう考えるだろうか。

 個人的な見解として中継の中では「環境としてはバイエルンが有利だが、状況で考えるとアウェイゴールがあるのでバイエルン側にプレッシャーがかかる試合とも言える」と試合序盤に話をしたということを先に記しておきます。

 勝負が決まる第2レグをホームで闘うことができるメリットは移動や試合までの時間の過ごし方だけでなく、スタジアムに集まる人々の思いの大きさも含め非常に大きいと考えていますが、満員のスタジアムとサポーターに囲まれ絶対的に有利なはずのバイエルンにとっては1点以上の引き分けでは敗退が決まるという「恐怖」が常に同居する闘いとなります。

 相手はリバプール、その「恐怖」は決して小さくはなかったと想像します。

 「恐怖」が同居しつつも環境面では圧倒的に有利だと考えられるホームチームが抱える別の不安要素として以下の2点を考えていました。

●「出場停止中のミュラーとキミッヒの不在」
●「後者の代わりに右SBで出場するラフィーニャとケガからの復帰となったアラバの状態」

 そして以下の2点がバイエルンにとっての生命線になると考えていました。

●「好調だったコマンの代わりに先発するリベリがどこまでやれるのか」
●「チアゴを活用しながらプレーすることができるか」

 リバプールにとってはホームで得点を奪うことはできなかったものの、出場停止だったファン・ダイクの代わりにCBで出場したファビーニョの活躍もあり無失点で終えられた第1レグ。「1得点以上での引き分け」で勝ち抜けが決まるという条件をどう考えるか、ここが彼らの運命を決めることになります。

 クロップ監督の下、タレントも十分なリバプールは圧倒的アウェイの環境下でも得点を奪うことは十分可能、唯一のネガティブ要素としてはUCLアウェイゲームでは4連敗中(今シーズンは3試合で1得点のみ)ということでしょうか。

 もう一つこの試合を語る上で重要だと考えたことはスケジュールの違い。

 バイエルンはホームで土曜に、一方リバプールは日曜にホームで試合をしてからのミュンヘン入り。クロップ監督も珍しく不満を漏らしていましたが、これだけ大きな試合になるとその1日がとてつもなく大きな意味を持ちます。おそらくリバプールは試合に向けた具体的な準備は諦めコンディション調整だけで、このビッグマッチに臨んだのではないでしょうか。

 これらいくつかの条件を踏まえた上で、このビッグマッチに臨んだ両チームの状態と闘い方を、ここから振り返っていこうと思います。

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最終更新:3/19(火) 10:25
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