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「通知表」が変われば教育が変わる?オランダの通知表に見る世界一子どもが幸せな理由【オランダ発スロージャーナリズム】

3/18(月) 10:45配信

FINDERS

日本では、そろそろ卒業式のシーズンですね。卒業式を迎えると、いくら学校が嫌いであっても、先生が好きでなくても、そして成績が悪くても、なんとなくホロっとするものではないでしょうか? 卒業式ならではの雰囲気は、学校への思い出をすべて良かったものに変えてくれる。そんな効果があるようにも思えます。

筆者もかなり成績は悪かったので、このシーズンになるとこんな感覚がリアルに思い出されるのですが、今住んでいるオランダでは成績表や、通知表のあり方が日本とは大きく違います。

ということで今回はオランダの通知表と、そこから、うかがい知ることができるオランダの教育に対する考え方をご紹介します。

他人と比べずに何よりも成長率を重視する

思い起こせば、オランダで最初に子どもが持ってきた通知表には、かなりびっくりしたものでした。「これ、本当に通知表?」というのが最初の印象。分厚いバインダーにはさまれた書類には、まず担任の先生からの総評(生徒のことをかなり詳細に見ている)が、ほぼA4サイズの一ページ分もあります。その後、今度は生徒自身のコメントが続きます。学校での友達とのコミュニケーションについて、仲の良い友達のこと、好きな活動や遊びのことなどなど。学校の授業についてのコメントも書かれていますが、これは分量が一番少ないです。

このような、先生と生徒双方の総評のようなコメントがおよそA4サイズ2枚くらいに書かれているのです。

その後、やっと成績についてです。ただしこれも日本とは大きく違います。まず評価項目は42項目。すべての評価は絶対評価です。さらに言うと大事なのは「前の学期の自分と比べて、どうなったか?」ということ。つまり成長率が一番重視されます。ついでに言うとこのバインダー、実は学校に入学した時からずっと同じものを使い続けるので、通常は4歳で入学した時からのことが記録されています。

もちろん4歳の最年少学年(グループ1)や、その次の学年(グループ2)には、こうした評価項目自体ありません。その学期で描いた絵や、ちょっとした作品(工作)がファイルされているだけだったりします。

オランダの子どもたちはこうしたバインダー、つまりポートフォリオが成績表というか通知表になっているのです。余談ですが、こんなに小さいうちから「ポートフォリオ」に慣れているので、就職の時なんかに持ってくるポートフォリオが根本的に違うなあ、と思ったりします。

さて学校における通知表、つまりポートフォリオには学年が上がるにつれて、全国統一試験の結果なども加わってきます。しかしそれさえも、点数や偏差値(そもそも存在しない)が重視されることはなく、どこまで達成できたか? 平均と比べると、どこが優れていて、何が劣っているのか?ということだけが分かるような仕組みになっています。つまり、「80点以上は合格」とか「20点以下は赤点です」とかいう概念はそもそもなく、こういうテストの結果だけで留年したりすることもありません。

ちなみにですが、オランダでは小学生でも学年を一つ遅らせたりすることは普通で、現に我が家の次男もオランダ語のハンデや、生まれ月の関係で、現在2回目の最初の学年にいます。つまり、日本的にいうと小学校1年生時点で留年しているのです。

さて話を成績表に戻すと、前述のようにこの成績表で重視されているのが成長率。他人との比較ではなく、過去の自分と比べてどのくらい成長しているのか?というのが評価のポイントになります。

「昨年の同じ時期に比べると、このポイントがとっても伸びているから、こういう方向が合ってるんじゃないかしら?しかも、今期は急速に伸びたわね。この方向が向いているかもしれないから、来期はちょっと進んだレベルにトライしてみようか?」とか、「このポイントはイマイチ伸びていないから、ここは苦手なポイントかもね。無理してこの方向に進まない方が良いと思うわ」なんてことが、毎期の先生との面談で話されます。

ここで42個の評価項目を挙げてみると、コミュニケーションの分野として、「積極性」「人の話を聞く力」「リーダーシップ」、表現力の分野として「プレゼン能力」「計画性」「他人を助ける能力」、理解力の分野として「学校行事への参加度」「自己主張力」「協調性」「独創性」などなどがあり、こうした項目が一通り並んだあと、やっと語学力(国語力)として「スペリング」「ヒアリング」「文章作成力」などと続き、算数として「計算力」「理解力」などなどと並んでいます。こうした評価項目は全て、平均に対してどのような位置にいて、どのくらい伸びたか?ということだけが記されているのです。

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最終更新:3/18(月) 10:45
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