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教室はショールーム、ABCクッキングの最強戦略

3/18(月) 5:20配信

東洋経済オンライン

 料理教室大手の「ABC Cooking Studio」(ABCクッキング)は2月、NTTドコモとの資本提携を解消すると発表した。2014年にドコモが約200億円を投じ、ABCクッキング株の51%を保有していたが、3月中にすべて売却。5年間に及ぶ両社の資本関係にピリオドが打たれることになる。

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 ABCクッキング側は「(ドコモとの提携は)一定の成果を上げたと判断した」(柴田倫孝取締役)と語り、提携解消の詳細な理由は明らかにしていない。ただ、その背景には市場環境の変化がありそうだ。

 両社は2014年の資本提携後、料理の作り方を発信する動画サービスを提供してきた。ただ、この5年間で、国内外の企業が料理動画ビジネスに続々と参入。似たようなサービスが乱立気味で、差別化が難しい状況になっている。

■「ガラス張り」料理教室で飛躍

 ABCクッキングは今後もドコモユーザー向けのコンテンツ提供を続ける一方、既存のリアル店舗の強化を進める。同社の柴田取締役は「誰にも真似のできない当社サービスの強さの源泉は、リアル店舗だという結論に行き着いた」と話す。

 ABCクッキングは1985年、現代表取締役CEOの横井啓之氏が静岡県藤枝市に1号店をオープンしたのが発祥。その2年後に会社を設立し、以後一貫して料理教室を展開してきた。

 創業以来、駅前の雑居ビル内などに教室を構えてきたが、飛躍のきっかけとなったのが1999年に初めて設置したガラス張りの「スタジオ」と呼ぶ教室の開設だった。埼玉県の「大宮ロフト」店内にスタジオを構えると、同店にキッチン用品を買いに来た客が、外からガラス越しに生徒が料理している様子を目にし、「外から見える”賑わい感”が何よりの宣伝効果を生み出した」(柴田取締役)。

 柴田氏はそのことを「教室自体がショールーム化した」と振り返る。その後、商業施設内での出店も続け、客数は急増。1月現在全国のスタジオ数は126、生徒数は約28万人にのぼっている。

 同社の特徴はスタジオだけではない。もう1つの特徴が、講師と生徒との距離の近さだ。2月のある平日の午後7時、東京・日本橋のABCのスタジオを訪ねると、4~5人のグループが調理テーブルを囲んでいた。教室内の生徒20人のほとんどが20~30代前半の女性。他社では年配の講師が目立つが、ABCの講師陣は生徒と同世代の20~30代が目立っている。

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