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ネット上で拡散するデマから子どもたちを守る、たったひとつの方法

3/19(火) 12:12配信

WIRED.jp

注意喚起があだに

このようなデマは、ある目的をもった人たちによって生み出される。その目的とは拡散とパニックだ。情報をシェアした瞬間、こうした狙いをもつ人たちの術中にはまったことになる。

彼らにもてあそばれることがよくない理由は、単に悪い人たちの望みを叶えるからというだけではない。情報をシェアすることによって、守りたいはずの子どもたちを逆に危険にさらす恐れもあるからだ。「目下のリスクは、より多くの人々がデマを見聞きすることです。何人かはおそらくそれを実行してしまうでしょう」とフィリップスは話す。

デマのもつ広まりやすい性質が危険へと導く可能性もある。さらに悪意のある人たちはMOMOの拡散性を利用して、真に受けやすい子どもたちを狙おうとするだろう。つまりデマの主張をまねて、子どもたちが自分で自分を傷つけるように仕向けるのだ。

子どもを助けようとするあまり、デマを広めてしまう恐れがあるのは親だけではない。子どもが通う学校からMOMOに関する警告を受け取ったと、『WIRED』US版のあるスタッフは話している。

また警察でさえも巻き込まれて、警告を無視するのではなく送るという過った行動を選択する可能性があると「The Atlantic」の記者テイラー・ ローレンツは指摘している。「親の立場からすれば、子どもを傷つけるかもしれない内容の注意喚起を気に留めないようにするのは、わたし自身も確かに難しいと思います」

デマと脳の関係

子どもたちを守るのは親の役目だ。そして、隅々にまで急速に広がるインターネットの世界は、子どもたちにとって並々ならぬ危険をはらんだ“地雷原”と言える。

「ソーシャルメディア、子どもたち、そして子どもたちがしているかもしれないことについて、友人たちはとても恐れています。オンラインで自分の子どもとやりとりしないため、そこで何が起こっているのかまったくわからないのです」。ソーシャルメディアと子どもについて『WIRED』US版のインタヴューを受けた親のひとり、シャンタル・ポントヴィンはこう語った。

外部からは見えにくいこうした状態に加え、自殺する方法を紹介するYouTubeのアニメ動画(このヴィデオの存在は確認されている)がこのほど現れたことで、インターネットのない森の中で子どもを育てたいと考える親もいるだろう。MOMOチャレンジ、Tide Podチャレンジ、Blue Whaleゲームなど、拡散したデマが現実になり得ると確かに感じさせられる。インターネットの世界は、とんでもないところなのだ。

「説得力があるデマには、わずかな真実が含まれています」と、子どもの権利とメディアリテラシーを研究し、データープライヴァシーに取り組む非営利団体「Future of Privacy Forum」のシニアフェローであるモニカ・バルガーは言う。

「そしてデマは、わたしたちの単純な脳の構造に働きかけます」。デマは恐怖につけこむわけではない。これまで聞いたことのあるほかの話とどこか似ているため、それが真実だと脳がほぼ自動的に解釈してしまう。

これが「真理の錯誤効果」と呼ばれる脳の作用だ。つまり、親しみを覚えたものごとを真実に感じさせる、人間の論理的思考の欠陥である。このためうそが事実確認を通じて人目にさらされ、結果的により多くの人がうそを信じるようになることがあるのだ。

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最終更新:3/19(火) 12:12
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