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18歳アンドレスク「ムーンボールじゃないわ、重いボールを打っただけ」 [女子テニス]

3/19(火) 14:13配信

テニスマガジンONLINE

 アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズで開催された「BNPパリバ・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/3月6~17日/賞金総額903万5428ドル/ハードコート)の女子シングルス決勝。

MOVIE|アンドレスク対ケルバー、インディアンウェルズ女子決勝(1分03秒)

 ビアンカ・アンドレスク(カナダ)は、自分がチャンピオンになるところを何度も想像したという。そして今、それが真実となった。

 毎朝、イメージトレーニングをしているという18歳のアンドレスクが、グランドスラム大会優勝歴3回で第8シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)を6-4 3-6 6-4で下し、ワイルカード出場(主催者推薦枠)で出場して優勝した大会史上初の選手となった。彼女はまた、大会史上2番目に若い優勝者でもある。

「私がインディアンウェルズのチャンピオンだなんて!まったくクレイジーだわ」とアドレススクは喜びを語った。

 最終セットでの彼女は、緊張や疲労、腕や脚の問題を克服し、その始まったばかりのキャリアで初となるツアー・タイトルを獲得した。

 ケルバーがバックハンドをネットにかけた瞬間、アンドレスクは4つ目のマッチポイントをものにした。彼女は第3セットで3度ケルバーのサービスをブレークし、2-3から巻き返す形で最後の5ゲームのうち4ゲームを取った。

 勝利の瞬間、アンドレスクはベースライン近くでラケットを落として仰向けに倒れると、信じられないといった表情で顔を覆い、足を上げた。起き上がってケルバーとキスを交わし合ったあと、彼女は屈んで太陽に焼かれたハードコートにキスした。そしてふたたび背中から倒れると、腕と脚を広げてから頭を抱えた。

「この瞬間が現実になった。本当に、本当にクレイジーだわ」とアンドレスクは観客に向かって言い、それから少しルーマニア語でも話した。

 カナダで生まれたアンドレスクは、のちに両親とともにルーマニアに引っ越し、そこでテニスを始めたのだ。

 ケルバーは、アンドレスクがここ7試合で倒した5人目のシード選手となった。

「チャンスを手にしたとき、彼女はただ思いきって決めにいっていた」とケルバーは振り返った。

 アンドレスクは、昨年優勝したときにはあまり知られていなかった20歳の大坂なおみ(日清食品)と同じような道をたどっている。大坂はそれをUSオープンとオーストラリアン・オープンのタイトルを獲得する踏切台として使い、1月には世界ランク1位に浮上した。

「プレッシャーなんかないわ」とアンドレスクは冗談まじりに言った。

 彼女は月曜日に発表されるWTAランキングで、36段上がって24位に浮上することになる。

 一方、世界8位のケルバーは、昨年のウインブルドンを最後にタイトルを勝ち獲ることができていない。

 この日、アンドレスクは観客のお気に入りだった。観客席にはカナダの国旗が翻り、第2セットに入ると、人々は「レッツゴー、ビアンカ! レッツゴー」と声援を送った。

 人々は明らかに、アンドレスクの怖いもの知らずのプレースタイルを楽しんでいた。彼女はベースラインから相手を圧倒したかと思えば、ロブ状のショットを打ち、それからタイミングよくドロップショットを放つといった具合に――それも同じポイントの間に――多彩なショットを織り交ぜた。

「あれはムーンボールじゃないわ」

 笑みを浮かべたアンドレスクは、記者の指摘の間違いを素早く正した。

「あれはただ、彼女のバックハンド側に、より多くのスピンをかけた重いボールを打ったのよ。私たちはもう12歳以下じゃないんだから」

 12日間の大会の中で、アンドレスクのもっとも圧倒的な勝利は準々決勝で訪れた。彼女はウインブルドンとフレンチ・オープンで優勝した経験を持つガルビネ・ムグルッサ(スペイン)を6-0 6-1で下したのだ。このティーンエイジャーは、総じて4人のトップ20選手を倒した。

 この日、第3セットで2-1とリードしたアンドレスクはメディカルタイムアウトを取り、トレーナーを呼んで堅くなった右肩と腕にマッサージを受けた。

 ケルバーはアンドレスクのサービスをブレークして続く2ゲームを取り、3-2とリードを奪い返した。

 疲れてナーバスになっている様子のアンドレスクはコーチを呼んだ。コーチは、ケルバーにいかなるプレゼントも与えず、すべてのポイントをプレーさせるよう促した。そして彼女は、まさにその通りのことをやったのだ。

 アンドレスクは、パワフルなフォアハンドを打ち込みながら9ポイントを連取し、ラブゲームでものにしたサービスゲームを含めて続く3ゲームを取った。

「肉体的にあまりいい感じではなかったから、とにかく最後まで戦った」と彼女は言った。トレーナーはのちにふたたび現れ、アンドレスクのケイレンを起こした足にアイスを当てた。

 自分のサービスゲームで3つのマッチポイントを手にしたアンドレスクは、それから彼女のトレードマークのひとつであるドロップショットにトライした。ケルバーはダッシュしてそれを拾い、フォアをダウン・ザ・ラインに決めてスコアをデュースに持ち込んだ。

 ケルバーは、アンドレスクのフォアハンドのミスでアドバンテージを手に入れた。アンドレスクはそこから確率の低いドロップショットを試みたが、ショットはネットにかかり、ケルバーはブレークを果たして4-5と追い上げた。しかしアンドレスクは、そこで折れなかったのである。

「最後に、私は自分が手にしたチャンスをつかむことができなかったけれど、彼女はそれをやってのけた」と試合後のケルバーは言った。

 アンドレスクは奮起し、スマッシュを決めて4度目のマッチポイントを手に入れた。最後はケルバーのバックハンドのミスで、2時間18分の戦いに終止符が打たれた。(C)AP(テニスマガジン)

INDIAN WELLS, CA - MARCH 17: Bianca Andreescu (CAN) with the winners trophy after Andreescu defeated Angelique Kerber (GER) to become the 2019 BNP Paribas Open Champion after a finals match played on March 17, 2019 at the Indian Wells Tennis Garden in Indian Wells, CA. (Photo by John Cordes/Icon Sportswire via Getty Images)

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