ここから本文です

「慶応タイプだから早稲田に行け」? 三菱商事から転身、話題の社長の東海高時代

3/19(火) 7:10配信

NIKKEI STYLE

アシックスの広田康人社長COO(最高執行責任者)は2018年3月、当時の尾山基社長(現会長CEO=最高経営責任者)にスカウトされ、三菱商事の代表取締役常務執行役員から転身し、話題を呼んだ。商社時代はロンドン現地法人に勤務し、欧州だけでなくアフリカでもビジネス拡大に奔走。「世界を股にかけた仕事がしたい」と志した原点は、中部圏の名門男子校である東海高校(名古屋市)で本を読む楽しさに目覚めた日々にあるという。

【転職に向かない人の8つの人柄】比較グラフはこちら

中学校から東海学園に通った。

小学校時代はそこそこ勉強ができたので、少し上の学校に挑戦してみたらと親に勧められたのがきっかけです。実は愛知教育大の付属中学も受験しようかと思ったのですが、試験科目に体操がありました。運動は得意じゃなかったので、体育の試験のない東海中学の方を選んだのです。そんな私が今はスポーツ用品の会社のトップをやっているのですが(笑)。

東海学園はもともと、浄土宗寺院の子弟のために全国に建てられた学校の一つ。「勤倹誠実」という校訓のとおり、中学校は校則にしろ、行事にしろ、とにかく厳しかった印象が強いですね。丸刈りに制服、弁当もお念仏を唱えてからいただく。宗教の授業もありました。正座して、お経を読んで。1年生では宗教の基礎知識を学び、2~3年生では戦争と平和の問題など幅広い内容について考える授業でした。

1年生の水練会(臨海学校)は有名で、4泊5日の最終日には三重県伊勢市の海岸でふんどし一丁になって遠泳に挑みます。私は泳ぎもダメだったのですが、なんとか浅瀬を泳げるようになりました。

高校に上がるとガラッと雰囲気が変わり、すごく自由になりました。制服はないし、丸刈りにする必要もない。1970年代前半でしたから、はやっていた長髪で通っていました。先生方も生徒の自主性を尊重し、我々を大人扱いしてくれました。

特に印象に残っているのが、1年生の担任だった宮崎宏一先生です。初めての三者面談のとき、母に向かって「お母さん、見合い結婚? 恋愛結婚?」と聞いたのには驚きました。今から考えると、それも成人教育の一環だったんだと思いますが、とにかく豪快な先生でした。

国語の担当で「毎日1冊本を読め」が口癖でした。さすがにそれは無理でしたが、1年に100冊以上は読んだと思います。分厚い本ではなく、岩波文庫の星一つですから50円とか100円くらいのもんです。よく読んだのは、いわゆる古典といわれる作品で、少し背伸びして安部公房や高橋和巳、柴田翔あたりも夢中になって読みましたね。

夏休みに特別講座といって、みんなで内村鑑三の「後世への最大遺物」を読んで議論したのもよい思い出です。仏教系の学校なのにキリスト教信者の内村というのも面白いですが。人は後世に何を残せるかが主題で、今でもはっきり内容を覚えています。とにかく読書の習慣を付けてもらいました。

1/2ページ

最終更新:3/19(火) 11:13
NIKKEI STYLE

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフスタイルに知的な刺激を。
生活情報から仕事、家計管理まで幅広く掲載
トレンド情報や役立つノウハウも提供します
幅広い読者の知的関心にこたえます。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事