ここから本文です

巨額損失を計上したみずほ・坂井社長 “みずほらしくない人に会いたい”発言の真意

3/19(火) 6:00配信

文春オンライン

 3月6日、6800億円の巨額損失を計上すると発表したみずほフィナンシャルグループ(FG)。勘定系システムの開発費などで約4600億円減損処理を行ったが、坂井辰史社長(59)は「過去の経営課題の認識を適時適切に処理した」と胸を張った。

「坂井氏は東大時代、同人誌『駒場文学』に参画するほどの読書好き。その彼の言葉を読み解けば、“みずほのドン”と呼ばれた佐藤康博前社長(現FG会長)らは、経営課題を認識していながら対応してこなかったと言いたいのでしょう。それだけ仕事には愚直な男です」(みずほ元幹部)

 坂井氏が9年間トップに君臨した佐藤氏から、FG社長のバトンを渡されたのは昨年4月。同じ旧興銀出身の佐藤氏の8年後輩で、5人のカンパニー長のうち3人が坂井氏より年次が上という銀行界では異例の若返り人事だった。

「坂井氏は就任からまもなく次期中期経営計画の策定作業に入りました。そこで『過去10年間の経営を総括せよ』と指示を出しています。佐藤氏の経営とは銀行・信託・証券の一体運用を掲げる『Oneみずほ戦略』。ただ、旧三行融和を優先するあまり、銀行出身者で主要ポストを分け合うなど、銀行中心のビジネスモデルから抜けきれませんでした。結果、銀行・信託・証券以外のリースやカード事業で出遅れてしまったのです。しかし、他メガバンクはそのリースなどで稼いでいる。坂井氏はそのことに危機感を抱いていました」(みずほ関係者)

採用活動でも「みずほらしくない人に会いたい」

 Oneみずほ戦略の見直しを始めてから約300日。巨額減損処理に踏み切った。

「佐藤時代の“負の遺産”を吐き出さなければ、毎年約800億円の償却費が利益を圧迫していました。ただ、本業の利益という意味ではリース事業の統合が試金石。坂井氏は今回、興銀リースをみずほリースに改称し、持ち分法適用会社にすると発表しましたが、現役みずほ幹部も逆らえないような有力OBが居残る旧第一勧銀系の東京センチュリー、旧富士銀系の芙蓉総合リースは距離を置いたままです。この2社の取り込みは急務と言えるでしょう」(同前)

 採用活動でも「みずほらしくない人に会いたい」と打ち出した坂井氏。みずほらしくない社長になれるのか、真価が問われるのはこれからだ。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年3月21日号

最終更新:3/19(火) 6:00
文春オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事