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最強のオペレーションは保育園の先生に学ぼう

3/20(水) 5:00配信

商業界オンライン

  完璧な仕事を、見たことはあるでしょうか。

 保育園での保護者参観に初めて行ったときの話です。折り紙に開けられた小さなのぞき穴(*)から片目でわが子の様子を見ながら、私は先生方の動きに目がくぎ付けになりました。

 1人の先生が子供たちに絵本を読んでいる間に、もう1人の先生が園庭に出掛けるための準備をする。子供たちに外遊び用の上着を着せて靴下をはかせ、外へ連れ出したかと思うと、入れ替わりにまた別の先生がやってきて部屋中に掃除機をかける。

 外遊びをした子供たちが教室に帰って来ると、ある先生が上着の着脱やうがい・手洗いを手伝い、その間に別の先生は給食の配膳をする。給食が始まると、1人はこぼしたスープの片付けや野菜嫌いの子に野菜を食べさせる介助に入り、その横でもう1人の先生が昼寝用の布団を敷いているーー。

 相手は乳幼児なので、それらの最中にはダダをこねたり、つまずいて転んだり、友達とけんかをしたりと、たびたび予想外の事態が起こり、仕事は中断されます。それでも先生方はどうにか予定を進め、きちんと定刻に昼寝をさせます。

 クラスにはメインとなる担任が2人いますが、ヘルプに入る補助の先生は毎回変わります。でもほとんど会話を交わさずとも、どの先生も今どのポジションが不足しているのかを瞬時に理解し、動いていました。

 その動きに迷いはなく、一切の無駄はありませんでした。全員が仕事の全体像を理解しているからこそ、行動が早いのです。

他者を理解しなくても仕事はできる。でも……

 全ての仕事は、自分の役割を理解してこなすことが大前提です。でもより大きな成果を出すには、「他者の」仕事の役割を理解することは避けて通れないと私は考えています。

 特に大会社や、支店や店舗が複数ある会社では、自分の仕事が全体のどこに位置しているのかが見えにくいものです。リモートワークが普及し始め、いつでもどこでも仕事ができるような環境になってきたからこそ、会社や仕事の全体像を把握するのが難しくなってきています。

  同じ職場でなく離れた場所でやり取りすることが多ければ、「あの人はいつも何をやっているか分からない」「この仕事が何の役に立つのだろう?」と思うことも多いでしょう。でも多くの仕事は密接に絡み合っており、必ずするべき理由があります。

 仕事の全体像が見えるほど、自分の仕事の役割も明確になります。

 例えば店頭販売では、商品を売ることがメインの仕事とされています。でも本部が知りたいのは、データに残らないその日の情報や、「なぜ、その商品が売れたのか/売れなかったのか」という理由です。

 どの商品がいつ売れたかは、販売データでも把握できます。でも現場にいない限りは、どんな人がどんな状況下で来店したのか、どの商品と迷ったのかまでは分かりません。商品力で売れたのか、接客か、目的買いなのかは、販売データには残らないけれど共有するべき貴重な情報です。

 お客さまの様子や時間帯ごとの混雑状況、その日の周囲のイベント内容や人出の変化なども記録しておけば、より適切な購買理由を伝え、次の販売施策へつなげられます。ただ販売しただけよりも説明に説得力が出ますし、仮に同じだけの仕事をしていても他者からの見え方は全く違うはずです。

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最終更新:3/20(水) 5:00
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