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東京五輪後の景気、結局どうなる? 経済効果30兆円もカギ握る「地方と観光」

3/20(水) 8:11配信

NIKKEI STYLE

景気の現状認識や先行きを巡る議論が活発です。様々な材料が交錯する中で判断が難しくなっていますが、多くのエコノミストがプラス材料の筆頭に挙げるのが2020年の東京五輪です。五輪は景気にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

みずほ総合研究所は東京五輪の経済効果を開催決定後の14年から20年までの累計で約30兆円、三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所は同じ期間で約29兆円と試算しています。都市インフラや関連施設の整備、観光に伴う消費が大半を占めます。建設投資は20年までに10兆円を上回るもようです。

みずほ総研の宮嶋貴之主任エコノミストは「当初の見立て通りに経済効果が出ている」とこれまでの動きを評価し、五輪後も好調が続くと予測します。「17年半ばから東京都の建設工事は頭打ち。建設業の人手不足が原因で五輪が近づいても建設工事のテンポは変わらず、五輪前後の建設投資の増減は小さい」と判断しているためです。

五輪後の景気の落ち込みは避けられないとみるのは嶋中雄二・三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長です。訪日外国人は想定以上に増えている半面、五輪関連の建設投資は18年がピークで21年は14年の水準に戻るとの見方から、関連消費が一巡する五輪後に景気は後退局面に入る公算が大きいと警戒しています。

ニッセイ基礎研究所の斎籐太郎経済調査室長も、終了後の反動を心配しています。過去に先進各国で五輪を開催した事例を参考に、今回の東京五輪は14~20年度の実質国内総生産(GDP)を累計で2%弱、年平均で0.2~0.3%程度、押し上げると予測していますが、押し上げ効果が急になくなる影響は大きいと分析しています。

今年10月に予定される消費増税の影響を緩和するための対策が、20年以降に順次、期限切れとなる点にも注目しています。例えばキャッシュレス決済時のポイント還元は20年6月末で終了します。「対策の規模を大きくすれば消費増税後の需要の落ち込みをある程度、緩和できるかもしれないが、五輪後の景気の落ち込みを増幅しかねない」とみています。

みずほ総研の宮嶋氏は、米国の景気減速、米中の貿易摩擦、半導体ブームの終了など五輪以外の要素で景気が落ち込む可能性を指摘します。一方、嶋中氏は「足元で景気が後退局面に入っている可能性は低い。五輪後に景気が落ち込んでも21年秋には再び拡張局面に入る」と強調しますが、それでも1年程度は景気後退が続くことになります。様々な波乱要因を伴いながら「五輪後」は近づいています。

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最終更新:3/20(水) 8:11
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