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フランス人は人を家に招いても「もてなさない」理由

3/20(水) 18:51配信

webマガジン mi-mollet

 人をよく家に招くフランス人。毎回それは気合を入れて準備をするのかと思いきや、用意するのはどんな場合でも前菜・メイン・デザートのたった3皿。『フランス人は3皿でもてなす フランス流 しまつで温かい暮らし』の著者ペレ信子さんは「実は手抜き上手なんです」と言います。フランス人から学ぶ、“がんばらないもてなし”とは?

「ここは料理と見栄の発表会?」

日本の「おもてなし」といえば、セレブな人たちが、おしゃれなインテリアの家で、素敵な器を使ったテーブルコーディネートで、手のかかったご馳走をふるまうようなイメージです。言葉は悪いですが、それは、自分がこれだけのものを持っているという“発表会”です。
いずれにしても日本の「おもてなし」は、相手に“与える”ものです。
それにひきかえフランス人は人を家に呼ぶことは、「Recevoir(ルスボワール)」という動詞でフランス語では表します。英語でいう「Receive(レシーブ)」、と同じ。つまり“受け取る”のです。
人が家に来ることは、相手におもてなしを“与える”のではなく、自分が相手の大切な時間を“受け取っている”“いただいている”感覚です。

フランス人と日本人では、人を自分の家に招く感覚がまるで違います。
フランスでは、家に呼ばれたら、こちらも呼び返す習慣があります。「じゃあ、今度はうちに来て」となるべく早い時期に。そうやってお互いの家で食事をしながら、ゆっくりお喋りをすると、温かみのある人間関係が生まれます。それをフランス人はとても大切にするものです。

この違いがわからなくて、私も昔、失敗をしたことがあります。フランス料理を習い始めたばかりの頃です。フランス人を家に招いて、精一杯のご馳走でもてなしたつもりが、相手に言われてしまいました。「あなたをうちに呼べないわ」って。「こんなにおいしいお料理を出されたら、うちには呼べない」と言われて、私は愚かなことに、そのときは誉められたと思ってしまったのですが違いました。
「うちに呼べない」=心から仲良くはなれない、ということ。
フランス人は見栄を張ったり、自分をよく見せようとする“発表会”を求めているのではなく、本当にもっと仲良くなりたいから、うちに来てくれるんです。私がするべきことは、自分が頑張るのではなく、相手を“受け取る”ことだったのです。
 

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最終更新:3/20(水) 22:30
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