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グローバル・マーケット・ウォッチ:欧州ハイ・イールド債~知られざる市場

3/20(水) 14:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

ポイント

進化し続ける欧州ハイ・イールド債市場は、インカム志向の投資家に、高いリスクを取る必要のない、新しい投資の機会を提供しています。

欧州の投資家は、難しい局面に直面しています。世界的な景気減速、米中貿易摩擦の脅威、ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭等の悪材料に晒されつつ、ポートフォリオを保全する必要に迫られているからです。


一方で、景気変動の影響を受けにくく、安定的なインカムを生み出す、欧州ソブリン債や投資適格債券といった、ディフェンシブ性の強い債券への投資の機会が減少しています。欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和プログラムが終了したにも係わらず、国債やその他の高格付け債券の利回りはゼロ近辺に留まり、インフレ調整後の実質利回りに至ってはマイナスとなっています。


このような環境における課題は、過度なリスクを取らずに、十分なインカム収入を確保するにはどうしたらよいかということです。いろいろな見方があると思われますが、現在の環境では、欧州の短期ハイ・イールド債が実行可能な選択肢になると考えます。理由は、以下の通りです。

堅固なファンダメンタルズ

欧州ハイ・イールド債市場は、この10年で、目覚ましい発展を遂げました。現在の市場は、流動性が高く多様性に富んでおり、広範囲の業種セクターに属する企業の債券が取引されています。また、投資適格を1段階下回るBB格以上の債券が市場全体に占める比率は71%超と、2008年12月時点の54%を大きく上回ります。

欧州の投資非適格企業は、2008年のリーマンショック以降、借り入れに極めて慎重な姿勢を維持しており、EBITDA(利息、税金、減価償却前利益)に対する純負債倍率は、足元3.2倍と、過去15年の平均を下回ります(図表1をご参照下さい)。有利子負債キャッシュフロー倍率や(営業利益+受取利息・配当等が支払利息・割引料等の金融費用の何倍かを示す)インタレスト・カバレッジ・レシオ等、借入金の返済能力を測るその他の指標も、過去の状況と比べて良好です。

[図表1]良好な水準:欧州ハイ・イールド債発行体の純負債倍率、対EBITDA(利息、税金、減価償却前利益)

更に、発行体の債務不履行率(デフォルト率)は1.5%と、10年前の金融危機時の13%を遥かに下回り、今後1年についても低位に留まることが予想されます*1。

*1 欧州ハイイールド債の12ヵ月間のデフォルト率。出典:ムーディーズ社、時点:2018年11月30日

当然のことながら、景気後退(リセッション)が発生すれば企業は借換えに苦戦することとなり、デフォルト率も直近の水準から徐々に上昇することが予想されます。しかしながら、そのような可能性は限定的だと考えます。発行体の多くが、償還日が近い債券の借換えを、概ね済ませていて、元本の償還期限、即ち、借換えが必要となる時期を2022年に延ばしているからです。

そもそも、最近の中央銀行の政策変更がリセッションの確率を低下させています。米連邦準備制度理事会(FRB)は、利上げの一時停止を示唆しています。一方、欧州中央銀行(ECB)は、2019年まで利上げを行わないとの決定に加え、新規の貸出条件付き長期資金供給オペレーション(TLTROIII)の導入を発表しているからです。

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