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30代新婚夫婦が「友人の同居」を大歓迎するワケ

3/20(水) 5:30配信

東洋経済オンライン

『家族無計画』『りこんのこども』などで人気を博するエッセイストの紫原明子さん。この連載でつづるのは、紫原さんが実際に見てきたさまざまな家族の風景と、その記憶の中にある食べ物について。紆余曲折あった、でもどこにでもいる大人たちの過去、現在、そして未来を見つめる物語です。

■妊娠、夫の婿入りという急展開

 ある日、仕事をサボってInstagramのストーリーを眺めていると「今から母親学級、緊張~!」というコメントとともに、どこかの建物の入り口らしい写真が流れてきた。何気なしに画面左上に表示される投稿者を確認し、えっ、と声が漏れる。ファッションブランドのPRとして働いている、私より3つ年下の友人A(33歳)だ。

 彼女と最後に会ったのは8カ月ほど前で、そのときには妊娠の話題なんてまったく登場しなかった。驚きつつお祝いのメッセージを送ると「そうなんです!  私、母になります!」という元気な返事。せっかくなので出産前にランチでもしておこうとなって、それから約1週間後、都内で再会を果たした。

 Aのお腹はすっかり大きくなっていた。すでに性別も判明していて、予定日は4月下旬だという。

 「夫とは6年くらい付き合ってたんです。ここ数年は一緒に住んでたし、そろそろ結婚してもいいと思ってました。子どももできるだけ早く欲しかったし。だけど仕事の関係上、名字が変わるのは面倒だったので、あくまでも事実婚でいこうと話してたんです。なのに妊娠がわかった途端、私の父がどうしても籍を入れろとうるさくて……」

 Aの両親はともに大学で教鞭を執る研究者だ。海外生活も長く、高齢とはいえ比較的リベラルな思想の持ち主。自分たちのやり方にもきっと理解を示してくれるだろうと考えていたが、事はそう簡単ではなかった。

 Aは説得を試みたというが、最後は父親に根負けし、夫がAの実家の婿養子に入る形で入籍。当初の予定通りとはならなかったものの、両親と夫との関係は良好だそうだ。

 「それにしても初めての出産なので不安だらけで。先輩、いろいろ教えてください~」

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