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オレオレ詐欺グループ 受け子と出し子に保証金払わせる理由

3/21(木) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 詐欺師グループ内部の「仲間割れ」を発端としたトラブルの事件化は、以前から存在はしていた。2004年には当時隆盛を極めた「架空請求詐欺」に関わった男らによる凄惨なリンチ殺人事件が発生した。近年でも、振り込め詐欺に関与した高校生同士による暴行事件が起きた。それぞれ発生した時点では、一部の特殊なグループで起きた出来事だと受け止められていたのが、最近ではそのような経過を辿ることの方が“普通”だと見做す傾向にある。

 どのような詐欺案件でも、関わる人間が増え、当局に睨まれれば睨まれるほど、詐欺師グループメンバーの統制が取れなくなる。オレオレ詐欺においても、こうして詐欺の受け子や出し子の“クオリティ”が下がった結果、詐欺の現場で得た金を、持ち逃げしたり、上納金を過少に申告するなどする者が現れだした。受け子や出し子が指示役に対して「警察に話す」「詐欺であることをバラす」と強気に出てきて、自身の報酬を釣り上げるようなパターンもあるという。

 彼らの勘違いした強気をくじくため、オレオレ詐欺の世界では、受け子や出し子に保証金や立替金を支払わせるのが当たり前になってきているのだ。

「受け子や出し子を募集する際に、相手に前払いの“保証金”を払わせる。額は10万とか20万とか。成功した場合は保証金の全額と報酬を渡す。この10万すら払えない連中は相当に切羽詰まっているか、ハナから持ち逃げをやろうとしているか。補償金でその人間を見極めて、仕事をふらないようにすることもある」(元幹部)

 奇妙に聞こえるかもしれないが、オレオレ詐欺が求める人材には、悪人として絶妙なバランスが要求されている。他に努力する方法があるにも関わらず、楽をしてすぐに儲けられる方法を選んでしまうくらいには善悪の感覚が麻痺してはいるものの、何をしても平気なわけではない程度に金がほしいという人たちだ。それが、今では必要とされる以上の悪事に踏み出す人間が集まってくるようになってしまった。

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最終更新:3/21(木) 16:00
NEWS ポストセブン

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