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石井龍夫 の 日本マーケティング私史 #4 ~SNS氾濫期~:マイノリティがメジャーになる時代

3/21(木) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

本記事は、元・花王デジタルマーケティングセンター長で、現在はC Channel 常勤監査役、Adobe エグゼクティブフェロー、株式会社イーライフ エグゼクティブアドバイザーを務める石井龍夫氏によるシリーズ寄稿です。

◆ ◆ ◆

インターネットの普及と生活への浸透は、企業の自社メディアを持ちたいという願望の一部を叶えるものであったが、それ以上の変化と価値、そして、少なからずのリスクを企業にもたらすことになる。それは、生活者の変化であり、メディアと視聴者、企業と顧客の関係の変化であった。その変化を作り出したもののひとつが第3回の寄稿で触れた「検索エンジン」であることはいうまでもない。

検索エンジンの衝撃

さらにその前、第2回目の寄稿で私は、マスマーケティングが成立する要件として、伝える側と受け取る側の所有する情報量の格差があると述べた。インターネットの誕生は、特定の個人や機関が所有する膨大な情報や知識を(公開を前提とするが)どこからでも閲覧可能にし、検索エンジンの普及がその膨大な情報や知識を誰でもが利用できるようにした。つまり、ここにおいて、情報量の格差は、情報を集めるために投下した資本の量に依存するものではなく、情報を集めたいという熱意の差になったということができる。

検索の普及以前、企業は、製品開発やサービス開発の名のもとに多額の調査費用を投入して情報を集め、生活者の課題を発見し、その製品やサービスが提供する新しい価値やライフスタイルを広告として伝達し、生活者の「買いたい気持ち」を創りだしてきたのだが、この仕組みにほころびが出はじめたのだ。

検索エンジンの使いこなしさえ覚えれば、家に居ながらにしてさまざまなサイトから、自分の興味の有り様にあわせて情報を集めることのできる現代は、小売店頭の販売員にとっては、とてもやりにくい時代だといえよう。商品を購入に訪れるお客様の方が、商品のスペックや近隣の店舗の価格状況、はたまた、業界や海外の類似商品の情報に詳しいなどということが、実際に起こり得るからである。またそれは、メーカー企業にとっても同様で、新製品の広告がトリガーになるのは、購買行動だけではなく、検索行動かもしれない。そして、検索の結果、購買検討する生活者にとって、その新製品が企業の思うほど魅力的ではないことを知ることになる場合も有るだろう。

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最終更新:3/21(木) 7:10
DIGIDAY[日本版]

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