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堂安律よ、突き進め。コロンビア戦は千載一遇のチャンス、世界への扉をこじ開けるには?

3/21(木) 11:31配信

フットボールチャンネル

 日本代表は22日に国際親善試合でコロンビア代表と対戦する。ロシアワールドカップでは日本が勝利したが、相手はリベンジに燃えているはす。その因縁の対決で、堂安律に求められることとは。20歳の若武者が壁を突き破り、ワールドクラスへの扉を開くか。(取材・文:元川悦子)

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●森保ジャパンの右サイドは激戦区に

 9ヶ月前のロシアワールドカップ初戦の相手・コロンビアとの再戦が刻一刻と迫ってきた。コロンビアは2012年から7年間チームを率いたホセ・ペケルマン監督が退任し、アジアカップでイランを率いていたカルロス・ケイロス監督が就任したばかり。

 新体制の初陣であり、6月のコパ・アメリカも控えている重要な時期ということで、ハメス・ロドリゲスやラダメル・ファルカオら主力の大半が来日している。日本にリベンジを果たすべく、本気モードで挑んでくるはずだ。

 その宿敵に挑む日本代表は、横浜合宿3日目の20日から戦術練習を開始。報道陣をシャットアウトして実戦的メニューをこなした。今回は大迫勇也不在のFW陣がやや手薄なものの、2列目には森保体制の看板トリオである堂安律、南野拓実、中島翔哉に加え、ロシアワールドカップ組の香川真司と宇佐美貴史が復帰。アジアカップに参戦した乾貴士もおり、戦力は非常に充実している。

 ロシアワールドカップではともに左サイド要員と位置づけられた乾と宇佐美だが、所属クラブではともに右サイドに入るケースが多い。そんな実情もあり、森保一監督から絶対的な信頼を寄せられてきた堂安も、安穏としてはいられない状況になってきた。

「サッカー選手である以上、ポジション争いは切り捨てられないところ。宇佐美くんと同じポジションになる場合は僕も全力で取りにいきます」と堂安はガンバ大阪の6つ上の先輩に挑戦状を叩きつけた。

 乾との競争についてはコメントをしなかったものの、アジアカップで乾が追加招集された際、「乾くんのテクニックを見て天才やと思った」と高度な技術とスピードを誇る30歳のアタッカーに敬意を表していて、簡単に勝てる相手ではないことは十分に分かっている。彼らとの戦いを制して定位置を確実につかむことが、20歳のアタッカーにとっての直近の重要命題と言っていいだろう。

●「もっとできるはずだった」アジアカップ

 そのためにも、アジアカップで直面した「得点力不足」という課題の解決策をいち早く見出さなければならない。堂安は初戦のトルクメニスタン戦で試合を決めるテクニカルな決勝点を叩き出したものの、それ以降は思うようにゴールを奪えず苦しんだ。準々決勝のベトナム戦で決めたPKもVARの助言による判定で与えられた幸運なものであり、大会通して自らの打開力や決定力を見せつけるまでには至らなかった。

「アジアの舞台ではもっとできるはずだった」と本人も計算外の現実に打ちひしがれた部分があっただろう。とりわけ、1-3で苦杯を舐めた決勝のカタール戦で味わった屈辱感は凄まじいものがあったはず。その悔しさを糧にして、苦しい時に結果を残し、チームを勝利へと導く存在に飛躍するきっかけをつかむこと。それが今回の3月シリーズで堂安に課せられた重要テーマになってくる。

「アジアカップの後はもう得点しか考えてないです。ただ、それを考えすぎて、エールディビジの何試合かでは少し壁にぶち当たっているところがあると思う。考えるけど考えすぎないようにするっていうのが一番難しいところで、今はメンタル的にも試行錯誤しながらやってます」と本人も認める通り、2月以降のクラブでのリーグ戦では停滞感が続いている。

 アジアカップを終えて堂安が合流した2月10日のフィテッセ戦以降、チームは6戦無敗と一時の低迷から抜け出しつつある。にもかかわらず、彼自身は退場での出場停止も含めて結果が出ていない。

●ハメスにも「何も感じない」

 若い選手というのは好不調の波がつきものだが、その波を極力小さくしなければ、日本代表でレギュラーを維持し続けることはできない。その厳しさを再認識したうえで、堂安はゼロからの挑戦者として3月シリーズに向かうしかない。

「自分がオランダに行って感じたのは、ドリブルが人より長けているわけでもないし、パスが世界一級品になれるかっていったらそうじゃないと。やっぱりシュートのパンチ力や一発の振りっていうのは、トレーニングの時から自分の特長だし、負けていないと感じています」と改めて強調したように、自身最大の強みは強く鋭いシュートをゴールに突き刺せること。

 その武器を前面に押し出すことでしか、宇佐美や乾といった年長者を完全に凌駕することはできないだろう。なりふり構わずに自分を突き詰めていける若さの特権を最大限生かして、アジアカップ後の足踏み状態から抜け出したいところだ。

 この20歳の若武者の頼もしいところは、世界的スターに対しても全く物怖じしない点。2014年のブラジルワールドカップで日本を奈落の底に突き落としたコロンビアのエース、ハメス・ロドリゲスにも「特に何も感じないですね」。あっけらかんと言い切った。

 2人は同じレフティだが、グイグイとゴールへ突き進む堂安は技巧派タイプのハメス・ロドリゲスとは異なる長所を持つ。切れ味鋭い得点感覚を遺憾なく発揮して、相手の度肝を抜くようなインパクトを残せば、1月の移籍期間に叶わなかった欧州ビッグクラブへのステップアップも現実味を帯びてくる。

 この一戦は日本代表にとっては因縁マッチだが、堂安律にとっては世界トップへの扉をこじ開ける千載一遇のチャンス。その自覚を持って、全ての力を出し切ることに集中してもらいたい。

(取材・文:元川悦子)

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