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アップルも歩みゆく「イノヴェイションのジレンマ」への道のり

3/21(木) 14:10配信

WIRED.jp

クレイトン・クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』は経営理論の古典的名著だが、「企業」という単語をすべて「アップル」に置き換えてこの本を再読すると、あることに気づく。

アップルが3月25日に発表する「まったく新しい何か」の中身

アップルは混乱と崩壊の危機に瀕しており、テクノロジーや消費者家電の世界における次の素晴らしいアイデアは、クパチーノの宇宙船からは誕生しないだろうという事実だ。

クリステンセンが提唱したイノヴェイションのジレンマは、ご存知のように、成功した企業がかなりの高確率で陥る罠についての話だ。市場のリーダーであるような大企業は巧みに経営されており、顧客に対する責任も忘れない。すべてが正しく行われているはずなのだが、それにも関わらず、彼らはイノヴェイションの波を見逃し、最終的には失敗するのだ。

アップルもご多分に漏れず、成功という罠にはまっている。ここで言う成功とは「iPhone」のことだ。

iPhoneがもたらした成功

優良企業の転落を引き起こす原則について考えてみよう。クリステンセンは失敗を招く“良い”経営とは、「最良の顧客の意見に耳を傾け、そのニーズに対応し、ハイリターンの見込めるイノヴェイションに投資を集中させる」ようなものだと書く。

ここでアップルの主力デヴァイスを思い出してほしい。イヤホンジャックの廃止や充電ポートの独自規格など評判の悪い決断もあったが、iPhoneは基本的にはユーザーの求めるものに忠実な方向に進んできた。

具体的には、画面の大型化、カメラの改良、使い方の簡素化、インターフェースを変更しないといったことだ。初代iPhoneが登場したのは2007年だが、アップルは以来、投資の大半をこのデヴァイスの維持開発と販売に振り向けている。

昨年の最終四半期には、840億ドル(約9兆3,700億円)に上る売上高のうち、510億ドル(約5兆6,900億円)をiPhoneの販売が占めた。スマートフォン事業と関連ビジネスの勢いはとどまるところを知らず、アップルはiPhoneのおかげで企業として前人未到に近い場所まで上り詰めている。

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最終更新:3/21(木) 14:10
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