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中国不安、米ローン債権暴落…世界経済を脅かすリスクシナリオ

3/21(木) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

リーマンショックの悪夢が再来する可能性も

金融緩和が続くと、投資家の間でも「日本国債や米国債を購入しても金利が低くて儲からないから、リスクはあるのだろうが、金利の高い債券を購入して利益を稼ごう」という動きがでてきます。

実際に、格付けが低い企業への融資が増えていて、それらをまとめて証券化した「CLO(ローン担保証券)」と呼ばれる商品の発行も増えているようです。これは大変危険なことかもしれません。

そうした商品は、ひとたび景気が悪化して融資の返済が滞ると、あるいは投資家たちが景気の悪化による返済の滞りを予想しただけでも、一斉に売りが出て、買い手が付かずに価格だけ暴落して保有している投資家等が全員大損をする、といった可能性があるからです。

リーマン・ショックのときに起きたことですね。

可能性は低くても、被害の大きさを考えれば注意が必要

銀行や投資家たちが一斉に資金を回収しはじめる事態は、ある意味で合成の誤謬(ごびゅう)だといえるでしょう。パーティー会場の火災の際には、各自にとって最適な行動は非常口に向かって走ることですが、全員が同じ行動をすると全員が酷い目に遭います。それと同じことが起きかねないわけです。各銀行にとって最適な行動は融資の回収ですが、皆がそれをすると皆が損をする、というわけですね。

大きなパーティー会場に出口が少ししかないことを知っていたとしても、人々が気持ちよく酔っているときには気にしないでしょうし、少しは気にしたとしても「自分は他人より早く走れるから大丈夫」だと思い込んでいたりするものです。

酔っていないときでさえも、「もしも火災が発生して全員が非常口に殺到したら何が起きるか」という想像力を働かせる人は稀でしょう。合成の誤謬の面倒なところは、実際にそれが起きるまでだれもそれを気にしない、という点なのかもしれませんね。

そんなときに火災が発生したりすると大変です。バブルのときに株を買う人、金融緩和のときにリスクの高い融資をする銀行なども、パーティー参加者と同じようなものかもしれません。

パーティー会場で火災が起きる可能性が低いのと同様に、米国の銀行融資の回収が激増する可能性も低いとは思いますが、万が一の場合の被害の大きさを考えると、要注意です。

本稿で指摘したようなことは、発生する可能性は低いけれども発生したら影響が大きいリスクシナリオとして、注目しておく必要がありそうです。


今回は、以上です。


塚崎 公義

久留米大学教授

塚崎 公義

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最終更新:4/3(水) 13:12
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