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ディレクターが語る、〈シャネル〉のアイコン《J12》の勇気あるフルリニューアル。

3/22(金) 12:00配信

Casa BRUTUS.com

〈シャネル〉初のユニセックスモデルにして、初の機械式時計として2000年に誕生した《J12》が、初のフルリニューアル。セラミックを時計界に広めた名作でもあるメゾンのアイコンに、勇気あるメスを入れたデザイナーに新生《J12》の進化のほどを聞きました。

「私がアートスクールの学生だった20歳の時に登場した《J12》を初めて見た際、大きな衝撃を受けました。そして時計デザイナーになると、決めたのです」

──シャネル ウォッチメイキング クリエイション スタジオ ディレクターのアルノー シャスタン氏にとって《J12》との出会いは、「まるで神からの啓示のようだった」と振り返る。ブラックセラミックによる漆黒の外観は当時、極めてセンセーショナルであった。一方そのデザインは、伝統的なスポーツウォッチのスタイルを踏襲していた。幅広のベゼル、クリ―ンで見やすいダイヤルなどである。古典にならった外観をブラックセラミックという最先端の素材で形作った《J12》の登場は、シャスタン氏曰く「モードのメゾンが、閉ざされた時計界に開けた風穴」。それゆえ《J12》は2000年に登場するや、世界的に大ヒットし、メゾンのアイコンの一つとなった。そしてスポーツウォッチとしての伝統的でピュアな機能美を体現していたからこそ、丸20年変わらぬ姿で生きながらえてきたのである。

そんな《J12》のフルリニューアルが、シャスタン氏に託されたのは、運命だったと言えよう。

「私を導いたアイコンを、変えることはとても勇気がいることでした。与えられた選択肢は2つ。何も変えないか、まったく変えてしまうか。そして私は、何も変えず、すべてを変えることを選択したのです」

禅問答のような彼の言葉の真意は、これら新生《J12》の写真を見れば明らか。その外観から、旧作との違いをすべて言い当てられる人は稀であろう。シャスタン氏は、《J12》が持つ古典的なスポーツウォッチの機能美は変えることなく、丁寧にディテールを操作したのだ。

「すべてのディテールを分析し、それぞれを外科手術のように慎重に手直ししていきました。結果的に変更点は、全体の70%以上に及びます」

幅広で力強かったベゼルは、スリムに仕立て直された。それに伴いダイヤルは広がってゆったりとし、エレガントな印象を高めた。針は2トーンに改め、ダイヤル中央の線路型目盛りは5分毎に線を太くすることで、メリハリのある表情が創出された。一見変わっていないようで、大きく違う。アイコンとして正しい進化だと言えよう。

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最終更新:3/22(金) 17:42
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