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「自分が休みたければ他者も休ませろ」働き方改革というブーメラン。 (玉木潤一郎 経営者)

3/22(金) 6:31配信

シェアーズカフェ・オンライン

2018年の通常国会において最重要法案に位置付けられた「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(通称働き方改革関連法)が、この4月1日から順次施行される。

働き方改革の大きな柱は(1)長時間労働の是正と(2)公正な待遇の確保の2つである。

この働き方改革は多くの職場で実現できるのか。複数の会社の経営者として、改革を阻む要因は、実は私たちそれぞれの中にあると筆者は考える。

■トップダウンでは実現しない長時間労働
残業を規制したり有給取得を義務付けたりすることは、実は会社側の取り組みとしてはさほど難しくない。

まともな経営者であれば、労使協定の締結など表向きの手順はもちろん、実務面でも労働時間を短縮し、有給取得を確実なものにするよう働きかけるところまでは容易にできる。また、こうしたことは今後積極的に取り組むべきだ。

ここで問題になるのは、有休を取得する本人と、それをフォローする周りの社員との関係性である。

誰かが休むために人員の配慮をしてあったとしても、やはり一人が抜ければ仕事には相応の穴が空く。もし空かないようならその人はもともと過剰人員ということになる。

そこで私たちは、お互いが休むために「先月は自分が休んだから今月は隣席の同僚が休めるようにフォローする」という考え方を共有しなければならない。

しかし実際には、他者が休むことに監視の目を向けたり、自分の労務負担が増大することに不満を述べる者が現れる。特に労働強化で業績を向上させる時代を通ってきたベテランにとっては、法案がどうあれ現場は違うぞという従来の働き方への自負もある。

また有給を取得する者に周囲への配慮が欠ければ、フォローする側の意欲も低減する。「おたがいさま」の意識を持てるような人間関係は、私たちが相互に築くしかない。

■高い品質を求めることが働き方改革を阻害する
働き方改革の実現を阻害する要因は、実は社内の人間関係のみに留まらない。例えば無理な納期を下請けに押し付ける取引先や、仕上がりに過剰な品質を要求する消費者がそうだ。

下請け業者に対して休日返上しないと明らかに間に合わない納期の作業依頼をすれば、その会社の担当者は休めなくなる。

そうでなくとも、これまで日本人が普通と感じてきた仕事の品質を維持しようとすれば、働き方改革は実現できないのではないだろうか。

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