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堂安律の課題は、シンプル。刮目すべきアジアカップ後の堂安

3/22(金) 14:30配信

footballista

悔やまれる、1点返した後の時間帯

 前半は5バックを敷きながら中央で組み立てるカタールに対し、日本の[4-4-2]のディフェンスがはまらない中で攻撃の距離感も遠くなった。右サイドの堂安は、相手のファウルを受けてFKをもらったシーンはあったものの、なかなか起点になれない時間が続いた。

 最初の失点シーンではサイドチェンジを受けたアクラム・アフィフを右サイドの酒井宏樹と堂安のところで封じ切れず、最後はペナルティエリア内でボールを受けたアルモズ・アリに会心のオーバーヘッドを決められた。さらに失点して0-2にされてから日本はようやく守備を修正し、全体を押し上げて高い位置から仕掛けるようになると、堂安もようやく持ち味を発揮した。

 ボランチの塩谷司からボールを受けた堂安は、外から追い越す酒井に正確なパスを送り、深い位置からのクロスを演出した。後半になるとさらに攻撃に絡み、セカンドボールから酒井のパスを受け、ワイドに流れた大迫勇也のクロスを引き出すなど、受け手としても出し手としても中心的な役割を担った。

 南野拓実の得点シーンでは、セカンドボールを塩谷が拾ったところでカタールのディフェンスの間に入り込んだ。仮に堂安にパスが出ていても決めた可能性のあるシチュエーションではあったが、ここまで無得点だった南野のターンからの抜け出し、フィニッシュは見事だった。

 堂安にとって特に悔やまれるのはそこからの時間帯だろう。積極的に仕掛けて同点ゴールを狙った堂安だが、78分にはセカンドボールからシュートに持ち込んだがカタールのブロックに阻まれた。そして直後のカウンターからCKに逃れ、吉田麻也の不運なハンドによりPKで1-3と突き放された。

課題は、過程よりもフィニッシュ。

 「1点決まれば劇的な(逆転)勝利で終われるんじゃないか、という望みは捨てていなかった。1点返したあとは、正直『行ける』と思ったので。判定を言い訳にするつもりはないですけど、3失点目で(自分たちの)心が折れてしまった印象です」

 大会を通じてのパフォーマンスには、左利きの右サイドアタッカーゆえの課題も見られた。カウンター時、味方から縦パスを受ける時に必ず左足でボールを止めるため、スピードダウンしてしまうシーンが何度か見られた。

 しかし、過程の部分より大きな課題となったのがフィニッシュだ。

 チャンスにより鋭く切り込んで、シュートに持ち込む。飛び出しからボールを受けた時に、狙いを違わず決め切る。シンプルだが、サイドのストライカーに何より求められる能力を堂安は発揮できなかった。海外メディアでは「アジアカップで最も輝いた若手選手」の1人に選ばれ、評価はさらに高まったかもしれない。だが、誰より堂安自身が危機感を持っているだろう。

 「自分のことを『一発を持っている』と思っていました。けれど、なかなか振り切れず、一発もなかなか出なかった大会だと思っています。(自分の特長を)いつ出すのか、どこで出すのか、どうやって出すのか、逆算してプレーしていきたい」

 この敗戦が“良い経験だった“とは本人は口が裂けても言わないだろう。しかし、ここから堂安が結果を出し続けていくことが、何よりの証明になる。

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最終更新:3/22(金) 14:30
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