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クリエイターが会社化する理由。tofubeats(HIHATT)×としくに(渋都市)対談【後編】クリエイティブな仕事の回し方

3/22(金) 12:10配信

FINDERS

検索窓に「法人化」と入れれば、ブラウザ内に数々の事例が並ぶ。インターネットによって知識を得ることが身近になった世代のアーティストたちは合理的だ。

ミュージシャンである自らマネジメントする会社「HIHATT」を経営するtofubeats、シェアハウス「渋家(シブハウス)」から派生した数多くの照明や演出をこなすクリエイター集団の会社「渋都市(シブシティ)」をまとめる、としくに。

彼らに会社化に至るまでの赤裸々な心境を語ってもらった前編から引き続き、会社化に関する周囲への影響、法人格としての自分、そして影響を受けた経営者の話を聞かせてもらった。

法人格を得ることで仲間に仕事を回す

tofubeats:法人化してよかったのは、ドラマ『電影少女』のサントラみたいにその都度アーティストを誘って制作することもできること。ドラマのサントラを自分だけでなく、いろんな若手に振ってみようと思えたのは法人があったからですね。

としくに:会社として仕事を受けて、知り合いに回せることは大きいです。個人だと、その人の収入がいったん増えることになるので、将来的な確定申告で放っておくと他人に回した仕事も自分の収入になってしまう。つまり払う税金が増えちゃう。

tofubeats:ちゃんと経費として処理はできるんですが、キャッシュフローがやりやすくなりました。気軽に人に仕事を頼みやすくなった。ここから若いアーティストを雇ったりもできるんですが、今のところ自分は専属マネジメントをする気はないです。

としくに:法人格は、基本的に資本を集めるシステムになるんですけど、その後ばら撒こうというのが浮かぶんですよ。僕の場合は給料だったりします。雇いやすいし、そんなに次々と雇えないとはいえ…僕の場合は実際に雇っちゃっていますね(笑)。仕事がなければつくってあげることもできる。人手が足りないところに派遣することもできるし、うちがフリーの人を雇うこともできる。

tofubeats:あと、今期からBeatportにHIHATTのページができまして、外注でいろんな人を出していこうと。法人はそういうことができるようになるんですよ。

としくに:Beatportって法人じゃないと契約できないの?

tofubeats:レーベルとして実績がないとお金を払ってもつくれないことがあるんです。うちは3回目のトライでようやく枠組みができたので、いろんな人に頼んでやっていこうと。個人でもできなくはないけれど、法人になると途端にハードルが激下がりする。

としくに:なんなんすかね、あの構造。法人になにかがあるわけではないんだけど、法人という名義を持っているだけでやりやすくなることが多い。やりにくくなることはむしろ少ないかもしれない。

tofubeats:厚生年金に入れたりとか。法人成りなんで自分の分と合わせて倍を払ってるんですけどね。不思議なもので、人格が分かれると感じなくなっていく。

としくに:「若い時にこういう風に仕事を振ってくれる人がいたらいいな」っていうのが自分の中にずっとあって。僕らはたまたまうまくいっているだけで、20代前半でクリエイターやアーティストで食っていけるのはなかなか少ない。最初にぶつかる壁としてよくあるのが「お金がなくて死にそう」ってこと。とはいえバイトをするとつくってる暇もない。自分がやりたい方向に近い仕事が落ちてればいいのにと思っていて。ライブや映像の業界は、大体新入社員で入ったらブラックで手取りも全然ない。どっちに進もうが鬱になる。それが嫌だから、なんとかなんないかなと。だから自分はフリーランスとしてうまくいっちゃったから法人格を立ち上げて、見える範囲内にいる人たちだけではあるんですけど、そういう負担がちょっとでも軽減させられたらいいなって。

tofubeats:今運良くこっちに金が来てるんで…。自分の金って感じがないんです。

としくに:たまたま時代の流れがこっちに来てくれただけで、もしかしたら違うところにこの流れが向いていた可能性もある。

tofubeats:だから「掘り当ててラッキー」くらいのもので、それなりに分けようと。その代わり掘ったらちょうだいよ、みたいな感じもあります(笑)。

としくに:みんなで一緒に掘り当てようとしてたよなって漠然とした村意識があって。

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最終更新:3/22(金) 12:15
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