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クリエイターが会社化する理由。tofubeats(HIHATT)×としくに(渋都市)対談【前編】法人化のメリット

3/22(金) 12:10配信

FINDERS

ミュージシャンは90年代のようにメジャーレーベルに入れば成功という状況ではなくなった。現代ならではのインディペンデント精神を持ったアーティスト・クリエイターは、作品だけでなく会社までもつくりあげる。その状況を知るために盟友ともいえる2名に集まってもらった。

ミュージシャンである自らをマネジメントする会社を立ち上げた「HIHATT」の代表tofubeats。そして、アーティストやクリエイターが住むシェアハウス「渋家(シブハウス)」から派生した、照明や演出を手がける空間演出ユニットhuezが所属する「渋都市(シブシティ)」の代表としくに。

資本主義のルールに則った上で創作活動に向き合う彼らに、実体験から得た知識を聞かせてもらった。

大きな仕事を請けるために法人化

―― アーティストやクリエイター自身が法人化したことを本人から聞けるのはなかなか希少な機会だと思います。まずは独立に至る経緯を教えていただけますか?

としくに:自分の経営している会社「渋都市」のメイン事業はコンサートの照明や演出です。最初はhuezという照明や演出のフリーランスのユニットをYAVAO(小池)と一緒に始めたんです。今から約6年前の20代後半の話ですが、1年くらいで意外とすぐ食っていけるようになって、2カ月仕事をして1カ月休むライフスタイルでした。

その中で、もらっている仕事のお金の規模が大きくなっていって。ライブの箱が大きいと、機材費などを含めて1回で50万円から100万円くらいのお金が動くようになって。10万切っているギャラだったらクライアント側も請求書を出しやすかったと思いますが、20万とかを超えると……。

僕は「渋家」というアーティストシェアハウスもやっているので、最初は渋家名義を仮で使っていたんですが、そうするとクライアント側がとにかく会社のなかで説明するのにめんどくさいと。「渋家というシェアハウスがあって、そこにいるメンバーの2人がやっていて…」という。仕事相手やイベンターの人から「請求書も個人相手に出すのが大変なので、頼むから法人格になってくれ」という相談を言われるようになってきて。

tofubeats:相手によっては個人では請けられない仕事もありますからね。

としくに:だから法人格になってくれれば楽だとクライアントから言われたのが、一番のきっかけです。そのとき僕は法人格とはなんなのかも理解していなかった。請求書の一部くらいかなと思いながら軽々しく立ち上げました(笑)。

―― なんでここまで仕事が来るようになったのですか?

としくに:うーん。シェアハウスでやっていたパーティを介してつながりがある人から仕事がまわってきたのが大半だったかな。Maltine Recordsからは、たとえば「光るお立ち台をつくってくれ」とか「アーティストが飛びついたり無茶苦茶なことをしてもいいものをつくってくれ」とかっていうクラブイベントで暴れても平気で怒られない大道具を依頼されたり、今の音楽業界ではあるけど、当時はどこに頼んだらいいかわからないようなやり方の照明の仕事とかを隙間産業的にやっていました。そういう仕事を受けまくっていたら、無茶振りを受けてくれるおじさんみたいな評価が業界内に広まって、それに実績が積み重なっていって今に至ります。

―― 依頼者と密にやりとりして制作することが大きかったんですね。

tofubeats:照明会社に「神輿つくってくれ」「お立ち台つくってくれ」なんて言ってもなかなかやってくれないですから。

としくに:普通に「業者呼べ!」って言われる。Maltineの「東京」の時もお立ち台をつくったんだけど、主催のtomad本人が壊そうと一番躍起になっていて。箱を出禁になるもの以外は、言われたことをやれる範囲でやっていたのがデカイのかな。

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最終更新:3/22(金) 12:12
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