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ニュージーランド銃乱射で考える「在日外国人に生活保護は必要か」

3/22(金) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

● ニュージーランド銃乱射で考えた 誤解が多い「外国人と生活保護」

 3月15日、ニュージーランドのクライストチャーチにあるモスクで銃乱射事件が発生し、50人が死亡した。容疑者は28歳になる白人至上主義のオーストラリア人男性で、犯行の様子をインターネット中継していた。また容疑者は、70ページを超える犯行声明の中で、移民の脅威を強調していた。ニュージーランド首相は、移民を排斥する考えを断じて認めない姿勢を示し、同国では銃を返納する国民が増えているという。

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 移民脅威論と、結局は自分の見たいものだけを見る道具になりがちなインターネットやSNS、そして銃のうち、どれが原因であるとも言い切れない事件だ。しかし銃がなければ、少なくとも銃乱射は起こらなかった。

 4月から技能実習制度の拡大を控えた日本にとっても、対岸の火事ではない。2018年6月、日本には約264万人の外国人が在留していた。この総人数は、京都府の全人口(約260万人)を超える。

 「外国人が増えると、外国人の生活保護が増えるのではないか」という懸念は、しばしば語られるが、おそらく現実のものとはならない。生活保護の対象となる外国人は、「永住者」「永住者の日本人配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」と、戦前の日本に統治されていた国々の国民で、戦前から日本に在留していた人々である「特別永住者」および子孫に限定されている。2018年6月、生活保護の申請資格がある外国人の合計は、約145万人だった。日本人約1億2000万人の1%強に過ぎない。

 このうち、国際情勢と関係して話題になる「特別永住者」は、制度が創設された1991年には約70万人だったが、その後は減少する一方で、2017年には約33万人となっている。高齢化・単身化も進んでおり、今後、増加する可能性は極めて薄い。

 生活保護を必要とする事情の多くは、「単身・高齢・無年金または低年金」だ。日本では1961年に国民皆年金制度が成立したが、外国人も対象になったのは1982年だった。このときに60歳を超えていた外国人は、加入できなかったことになる。「単身・高齢・無年金または低年金」は、生活保護全体で目立つ背景だ。外国人の場合は、日本人よりさらに無年金・低年金リスクが高かったということだ。

 「外国人が増えると、子どもが生まれたり本国の家族を呼び寄せたりして際限なく増加し、日本の生活保護を食い荒らす」といった懸念も、あまり実現しそうにない。一般的に、外国の福祉制度によって生きることは、魅力的な選択肢ではないからだ。また外国人には、生活保護の申請権はあるが審査請求権はない。最初から、日本人と同等の適用ではなく、いわば「日本人のついで」なのだ。

● 無保険の外国人は 生活保護の医療単給で救済できない

 生活保護には、生活費・住居費・医療費から葬祭費まで8つのメニューが含まれている。通常の生活保護のイメージは、この8つを全部使用し、月々家賃補助と生活費を受け取るというものだ。しかし、それぞれのメニューに対して「それ1つだけ(単給)」という使い方も可能だ。

 「生活保護のメニューのうち1つだけ」という使い方の典型は、「医療だけ生活保護」というもので、「医療単給」または略して「医単」と呼ばれる。

 医療単給は、「医療費を支払うと、生活保護基準以下になってしまう」あるいは「生活保護を適用するわけには行かないが、医療がないと死んでしまう」という場面で使用される。たとえば、反社会団体のメンバーは、その状態のままでは生活保護の対象にならない。しかし、重大な病気で医療が必要になり医療費が支払えない場合、「反社会団体だからダメ」という運用をすると死んでしまう。本人は脱退したいのに、脱退させてもらえない場合もある。

 この場合には、福祉事務所が必要と認めたら本人の意思によらず生活保護の対象とする「急迫保護」によって、「医療が必要な間は、急迫保護によって、1回限りの医療単給の対象とし続ける」という道が残されている。

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