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サイゼリヤの客離れが「全席禁煙化のせい」という説はどこまで本当か

3/22(金) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● サイゼリヤで報じられる苦境 「11ヵ月連続マイナス」の原因とは

 外食産業の成長株だと思われていたサイゼリヤが、苦境にあります。既存店売上高が11ヵ月連続で対前年比マイナスになったというのです。そしてその一因が、ひょっとすると昨年7月に打ち出した「全席禁煙」ではないかという報道がされています。

 一方で、ほぼ同時期、昨年6月に全席禁煙に踏み切った串カツ田中では、逆に禁煙化によって「成果が出た」と報道され、全席禁煙は外食産業にとってプラスになるというイメージが広められました。

 一体全体、全席禁煙は外食産業にとってプラスに働くのか、それともマイナスに働くのか、どちらなのでしょう。2020年の東京オリンピックに向けて、これから外食産業における禁煙の動きはより活発になると思われます。それも踏まえて、禁煙化と売り上げの関係について考えてみたいと思います。

 まずは、足もとで不調が取り沙汰されているサイゼリヤの状況を見てみましょう。サイゼリヤの既存店の売上減に関しては、実は面白いほど一貫した特徴があります。売上高は客数と客単価に分解できますが、売り上げが減少した11ヵ月の間、客数は一貫してマイナスとなり、その一方で客単価は一貫して微増を維持しているのです。

 そしてその数字は、それほど大きな振れ幅ではないというのがもう1つの特徴です。客数は11ヵ月平均で2.4%のマイナス、客単価は同じく11ヵ月平均で0.4%のプラス。平たく言えば「お客さんの数は100人から97~8人に減ったけど、お客さんが使うお金はほとんど変わっていない」という表現に近い状況が、11ヵ月続いているのです。

 とはいえ、客数が一貫して減っているのは事実なので、「やはり一定数のお客さんが禁煙化で客離れになったのではないか」という疑問は出てくるでしょう。

 この全席禁煙の影響ですが、要素を分解すると、禁煙になったのでお店を使わなくなった(離れた)顧客の数と、逆にタバコを吸う顧客がいなくなったのでお店を使うようになった(増えた)顧客の数の差し引き、ということになります。

 日本人の成人(男女合計)の喫煙率は18%ですから、単純に考えると、サイゼリヤでは離れた客の数も増えた客の数も、実際の増減のマイナス2.4%よりも多いであろうことが推測されます。

● 全席禁煙を打ち出す前も 客数は一貫して減少していた

 さらに、もう1つ気をつけなければいけないことが、この2.4%減は禁煙の影響だけではないということです。11ヵ月連続ということで言えば、全席禁煙を打ち出す前の時期でも、サイゼリヤの客数は一貫して減少していたことになります。

 サイゼリヤの場合、2018年7月下旬に全国約1000店舗のうちの約300店舗で全席禁煙が始まり、今年9月までに全店での全席禁煙化を完了する予定になっています。禁煙化が始まった2018年8月から直近(2019年2月)までの7ヵ月に限っていうと、客数の減少率は2.0%。そしてその1年前となる、禁煙化と関係がない2017年8月から2018年2月までの客数の減少率は1.1%です。

 そう考えると、禁煙化の悪影響はせいぜいその差の1%未満(単純計算で0.9%)。となり、禁煙の影響が既存店売上高の大きなマイナス要因とまではいいにくい気がします。

 では、禁煙がプラス効果になったという串カツ田中のデータを見てみましょう。こちらは2018年6月に全面禁煙を行ったところ、むしろ客数が大幅に増えたという報道がありました。2018年5月における客数は対前年比で4.5%マイナスだったのが、6月には2.2%のプラスと大きく(6.7ポイント)改善したので、そう報道されたようです。

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