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見えざる人々を見る。映画監督・是枝裕和インタビュー

3/23(土) 10:30配信

T JAPAN web

『万引き家族』の受賞ラッシュで世界的名声を確たるものにした是枝裕和。今秋公開の新作を控える彼が見つめ続けるものとは――

“とうとうここまで来たか”という感慨がありますか? と問うと、まっすぐ目を見ながら是枝監督は即座に否定した。

インタビュー中、コートを脱ぎ捨て遊具と戯れる是枝監督

「それはまったくない。階段を上ってきた、みたいな感覚はまるでありませんから。でも、先日アカデミー賞前哨戦の長い戦いが終わってノミニーが集まるランチ会に参加したらレディー・ガガがいた。『バイス』のクリスチャン・ベイルに会えたり、洗面所に行ってふと隣を見たらウィレム・デフォーだったりで、今はもう、ただただミーハーに楽しんでる(笑)。英語がしゃべれればデフォーに『フロリダ・プロジェクト、観ましたよ』ぐらい言いたかったのに、英語となるとどうしても躊躇してしまって……。授賞式の会場で英語をしゃべっていないのは、僕と『ROMA/ローマ』の主演のヤリッツァ・アパリシオさんの二人だけでしたよ」

 昨年のカンヌ国際映画祭で『万引き家族』が最高賞のパルム・ドール賞を受賞した映画監督、是枝裕和。その後も各国の映画祭、映画賞を席巻しながら、ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされ、世界を飛び回る日々が続いた。そんななかでの各国のクリエイターとの出会いをミーハー気分と自嘲ぎみに語って笑わせる。だが、英国アカデミー賞授賞式でクイーンのギタリスト、ブライアン・メイに会ったときは、沖縄の新基地移転問題に関してメイが起こしたアクションに謝意を伝えたともいう。

 是枝裕和は、『もう一つの教育~伊那小学校春組の記録~』(1991年)など、受賞を重ねたTVドキュメンタリーの世界から、1995年、ベネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞した『幻の光』で劇映画の世界に躍り出た。続く第2作『ワンダフルライフ』(1998年)ではARATA(井浦新)、伊勢谷友介を発掘し、ドキュメンタリーの手法を採り入れたファンタジーでスピルバーグをも魅了。2004年には『誰も知らない』で主演の柳楽(やぎら)優弥にカンヌ国際映画祭の最優秀男優賞をもたらし、2013年には『そして父になる』で同映画祭審査員賞を受賞。家族をテーマに描き続けてきた是枝が、ここ十年来の思いを込め、“家族を超えた絆”を描いたのが『万引き家族』だ。

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最終更新:3/23(土) 10:30
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