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職場で孤立した人が「社外に新天地」を求めると失敗する理由

3/23(土) 8:45配信

bizSPA!フレッシュ

 自宅でひとりで亡くなっている、いわゆる「孤独死」は年々増えている。東京23区内で、一人暮らし・65歳以上の自宅での死亡者数は、平成28年に3179人(東京都監察医務院のデータ)。これは平成12年の約2倍だ。

 20代のうちは他人事と捉えがちだが、生涯単身者が増加する昨今、孤独死は誰でも遭遇しかねない事態なのだ。事実、平成28年には高齢者以外でも、東京23区内で1574人もが孤独死している(データ同)。

 誰にも気づかれず、適切なケアを受けることもできず、一人寂しく死んでいくのは確かに怖い。だが、それ以上に怖いのは「孤独であること自体が死の原因になる」という事実だ。

極度の孤独は高齢者の早期死亡を14%増加させる

 たとえば2014年2月、シカゴ大学の心理学者ジョン・カシオポ博士らは「極度の孤独は高齢者の早期死亡を14%増加させる可能性がある」との研究結果を学会で発表し、話題を呼んだ(:参照)。

 孤独が死亡リスクを高めるということは、他にもブリガム・ヤング大学のジュリアン・ホルト・ランスタッド教授による研究(2015年3月)や、東京都健康長寿医療センター研究所の研究(2018年7月)でも報告されている。

 会社=居場所という図式が崩壊しつつあるが、ぼっち化を回避するためには「1つのコミュニティに依存することから脱却して、何種類かの繋がりを確保しておくことが必須」だと、産業医の大室正志氏は言う。

「その点、転職経験のある人は、そのこと自体がアドバンテージになります。前の職場と今の職場、双方の繋がりを持っているわけですから」

転職以外でも自分の居場所を見つけることはできる

「もっとも、昨今は“コミュニティ”がブームなので、1社にしか居場所がない人でも、オンラインサロンなり、趣味のサークルなり、外に居場所を見つけるためのツールは充実しています。それらをうまく活用するといいですね。ただし、1点ご注意を。外部コミュニティに“新天地”を求めてはいけません」

 大室氏いわく、昼間社会でぼっちをこじらせた人が、別のコミュニティで“リベンジ”を試みて、空回りするケースが多いのだとか。

「会社でハブられているオジサンほどマンションの管理組合でうるさい……なんて、昔からよくある話ですよね。“会社では空気だけど、ここではヒーロー”みたいになればいいけど、残念ながら大体どこのコミュニティでも評価は8割かぶります」

社外デビューでは「別キャラ」を作るな!

「外部のコミュニティでは、ヘタに別キャラでデビューしようとしたりせずに、『ちょっと行く場所を増やしてみよう』くらいの軽い気持ちで、肩の力を抜いて参加するのがいいですね。そのほうが、かえってフラットにコミュニティの有力者と繋がれて、そこから人間関係が広がったりするものですよ」

 複数のコミュニティを渡り歩いていけば、耐久性のあるアイデンティティをつくり上げることができるはずだ。

【大室正志】
産業医科大学卒業、ジョンソン・エンド・ジョンソン統括産業医などを経て医療法人社団同友会産業医室勤務。専門は産業医実務

― [ぼっち]はマジで死に至る ―

bizSPA!フレッシュ 編集部

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