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3・18、山本太郎議員の質問への金子委員長の不公平な差配。信号無視話法分析で明らかに

3/23(土) 8:31配信

HARBOR BUSINESS Online

 自由党共同代表・山本太郎参議院議員は3月18日、参議院予算委員会で午前と午後にわたって、辺野古の新基地建設をめぐって安倍総理を始めとする閣僚らに質問。

 本記事では、午前に行われた約8分間の全ての質疑を取り上げ、その回答を信号機のように3色(青はOK、黄は注意、赤はダメ)で直感的に視覚化していく。

◆委員長までも信号無視!



 金子原二郎委員長と安倍晋三総理の回答を集計した結果、このようになった。

(質疑冒頭の金子委員長と山本議員のやりとりも分析対象に含めた)

<色別集計・結果>

●金子委員長 赤信号88%、青信号7%、地の色6%

●安倍総理 黄信号20%、青信号71%、地の色10%

 安倍総理は概ね質問に回答している中、委員会を公平に進めるべき金子委員長の回答の9割近くが真っ赤であることに驚かされる。

 いったいどのような質疑だったのか詳しく見ていきたい。

 また、本記事で紹介する分析結果は動画としても公開しており、文字だけでは伝わらない実際の雰囲気を確認できる。

◆玉城デニー知事を呼ばない理由を説明できない金子委員長

 質疑の冒頭、山本議員は金子委員長に対して、玉城デニー知事の参考人招致を自民党が反対した理由を確認している。

 この発言を信号無視話法分析で可視化したものがこちらだ。

山本議員:

「えー、自由党共同代表・山本太郎です。会派 国民民主党・新緑風会を代表し、えー、総理に全てお聞きをする前に、えー、本日の委員会で野党側が要求していました参考人、玉城デニー沖縄県知事について。理事会で自民党が反対をいたしました。デニー知事を参考人としてお呼びできませんでした。先日、我が会派、森裕子議員の新基地建設に対する質疑に防衛大臣は「沖縄に聞いてくれ」との趣旨の答弁をしました。その後、理事会でデニー知事を参考人として要求。結局、自民党は反対。委員長、玉城デニー知事の参考人出席、自民党が理事会で反対をした理由、教えてください。委員長」

金子委員長:

「山本君、参考人の出席につきましてはね、あなたもかつて理事会に出席しておいたんで、協議が整わない場合は、一応、出席できない状態になってるわけであって、その賛否についてはね、ある場合とない場合がありますから。合意するかどうかにかかっているわけです。合意に至らなかったので、結果的にダメだったということです」(全面的に赤信号)

 山本議員が「参考人招致の反対理由」を問うているのに対し、金子委員長はなぜか「参考人招致の仕組み」を答えており、なぜ自民党が反対したのかの理由を述べていない。あからさまな論点のすり替えを行なっており、赤信号とした。

山本議員の質問:参考人招致の反対理由

金子委員長の回答:参考人招致の仕組み

 金子委員長が質問に答えなかった点、山本議員もすぐさま以下のように指摘している。

山本議員:

「ありがとうございます。ただ今、お答え頂いたのはあくまでもルール。全会一致が、えー、原則ルールだということを主に説明して頂いたと思います。理由がないのに反対だなんて、あり得ますか? 合理的説明もできない反対なんて、あり得ないじゃないですか? どうして、デニーさん呼べないのかって話なんですね。えー、その際、野党は再度検討を求めましたが、委員長はそのまま仕切って参考人の話は打切り。公平公正な委員会とはほど遠いと思います」

◆金子委員長の「不穏当な言葉」発言

 沖縄基地問題の重要な参考人である玉城デニー知事を参考人として呼べない理由をまったく説明できない金子委員長に対して、山本太郎議員はその矛盾点を続けて指摘していく。そのやりとりを視覚化した結果がこちらだ。

山本太郎議員:

「NHKのテレビ入りで、沖縄の実情をデニー知事に話されると、官邸の、政権側の印象、立場が悪くなる。本当の反対理由、これじゃないですか、自民党。参議院・自民党、官邸の下請け。そういう仕事じゃないですか?今やってるのは。私はそう思いますよ」

 この発言は山本議員の持ち時間が始まって、まだ2分しか経っていない段階だが、議員たちが委員長席に集まり、速記が約40秒も止まる事態となる。開始間もないタイミングで、しかも閣僚に対する肝心の質問がまだ始まってもいない時点で速記が止まるのは珍しい。

(約40秒の中断を経て再開後)

金子委員長:

「ただいまの、おー、不穏当な言葉があるとの、えー、こと、ご指摘がありましので、委員長と致しましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることと致します 」 (全面的に赤信号)

 山本議員が「参議院・自民党は官邸の下請け」とやや刺激的な表現を使ったことを考慮しても、金子委員長は自民党が参考人招致を拒否したことを棚に上げて「不穏当な言葉」と不公平に差配しており、赤信号と判定した。

 当然ながら、野党からも一斉に抗議の声があがり、議場は騒然となる。(動画の2分55秒~)

 山本議員はすぐさま「不穏当な言葉」という委員長の発言に反論する。

◆山本議員の的確な反論

山本議員:

「いやいや、だって、玉城デニー知事を呼ばない理由がハッキリしないんですよ。合理的説明できてないじゃないですか。反対理由なんですか?政権に対して、これ打撃を与えたくない。デニーさんに本当のこと喋られたら困るという話以外、見つからないじゃないですか。だから官邸の下請けじゃないですか、ってことを言ってるんですよ。ここは立法府であり、行政を監視することも仕事です。行政監視の一環として、大きな問題を抱え、苦しみ続ける沖縄の皆さんに対して、基地問題当事者の代表、デニー知事にお話を伺い、少しでも解決に導こうとすることも立法府の仕事じゃないんですか。立法府にいながら、国民の代表でありながら、政権に忖度することが議員としての最優先課題ならば、それは自分のキャリアップや就職活動のための仕事でしかないじゃないですか。そんなことのために、沖縄の声を直接聞き、解決の糸口を探る機会を奪わないで頂きたい。再度、玉城デニー知事の参考人出席を求めます」

 ちなみに不穏当という言葉を辞書で引くと、「おだやかでないこと。さしさわりがあって適切ではないこと」などと記されている。この意味を踏まえると、山本議員の発言に「不穏当」と思われる内容は見当たらない。強いていえば、政権にとって差し障りのある内容は含んでいるため、政権にとって不穏当な言葉だと判断されたのであろう。玉城デニー知事の参考人招致反対に続いて、委員会運営においても徹底的に官邸の下請けとしての職責を全うしようとする金子原二郎委員長(参議院・長崎県選出)の一貫した姿勢が垣間見える。

 冒頭の金子委員長とのやりとりは約4分間にも及んだが、ここからいよいよ安倍総理への質問に移っていく。

◆安倍総理が10回も発言した「沖縄に寄り添う」

 安倍総理大臣に向けて山本議員が行った質問は以下の通り。

山本議員:

「今国会の中で総理、私の事務所で調べただけで10回ですね、10回「沖縄に寄り添う」という言葉を発言されています。総理、これまで10回ご発言された通り、沖縄に寄り添うという気持ちは本物であるとそれを確認させて頂けますか?」

 これに対する回答を視覚化した結果がこちらだ。

安倍総理:

「沖縄に、えー、米軍基地が、えー、集中をしているという、この、おー、現在の、この現状をですね、(黄信号)

 我々は到底是認できるものではないわけでございまして、沖縄の、おー、米軍基地の縮小のためにこの6年間、我々も全力を尽くしてきたところで、えー、ございます。今後ともその姿勢には変わりがないということを申し上げておきたいと思います(青信号)」

 信号無視話法では「質問に答えたか」という観点で分析するため、基地縮小のための努力や今後の決意などを述べた部分は青信号と判定した。

 ただ、ここで述べている内容が実態を伴っているかは別問題である。

◆安倍「寄り添う」答弁の矛盾

 ここから山本議員は「寄り添う」という言葉の定義を切り口に、約3分間にわたって安倍総理の矛盾点を指摘していく。(動画の5分20秒~)

山本議員:

「ありがとうございます。『寄り添う』。この『寄り添う』という言葉を調べてみると、『ぴったりと側へ寄る』とあります。自分の感情を相手の気持ちと同化させるよう、同化させるようにするようなこと。いかにも、いかに相手の気持ちを汲み取れるか。それに自分の心を寄せていく様が寄り添うということのようです。沖縄県民投票の結果、辺野古に基地はいらないと圧倒的な民意がはっきりした翌日、埋め立ての土砂を積んだトラックなど約300台が資材搬入ゲートを通過。琉球新報では名護市阿波にある桟橋で工事車両583台が運搬船3隻に土砂を積み込んだと。沖縄県民、えー、沖縄県民投票では72%が反対。超圧倒的明確な結果を完全に無視した、聞いたことがない寄り添い方です。えー、これ本当にどうやって寄り添っていくのかということですね。この後、総理にも聞いていきたいと思うんですけれども。

 先日ですね、防衛省の方が軟弱地盤に関わる地質データを含む約1万ページにも及ぶ報告書などが防衛省から出されたんですね。これやっと出したかって話なんですよ。なんか聞くところによると、防衛大臣がずいぶんと出されることに抵抗をしていたというお話を聞いています。予算委員会が終盤に入ったこのタイミングで、1万ページもの資料提供。出さないよりかいいですけど、このタイミングですかって。もう終わりますよ、予算委員会。防衛省が提出を粘り続けたのは本委員会での議論を避けたい意図があるとしか考えられない。この短い間に、もう3月、3月いっぱいでこの委員会終わっちゃうのに1万ページ。これ詳細に検討するってむちゃくちゃ大変な話ですよ。

 こういうこと今までもありましたよね。森友学園の関係資料。ギリギリになって出してきた。大量に。他にもありましたよ。去年の、えー、入管法。その時に実習生の個人情報、マスクをして黒塗りをして出し、いつもみたいに、黒塗りをして出してくれればいいのに、それもせずに手書きで写せと。野党は普段仕事をしなきゃいけない時間を削りながら一枚一枚写経をするようなことをずっと続けてたわけですよ。あまりにもありえないと言いますか。これ国会の審議をまともにやろうという考えからかけ離れている。もっと正々堂々とやりましょうよって話なんですね。

 この軟弱地盤に関わる地質データを含むこの報告書1万ページを超えるようなものを今、全国の心ある土木技師や関係者の方々が詳細に読み解いていってくれてます。これ委員長に求めたいんですけれども、予算が成立した後も、この沖縄問題、軟弱地盤の問題もあります。これひょっとして、えー、変更、設置変更の内容というものを、えー、軟弱地盤というものを隠しながら出してたというような疑いも持たれているわけです。なので、予算委員会が終わったとしても、その後沖縄問題として集中の審議をして頂く事をご検討ください」

 わずか8分の質疑の中で安倍政権の多くの問題点を浮き彫りにして見せた山本太郎議員。

 質疑はここで昼休みに入る。午後から再開された質疑では、安倍総理の祖父・岸信介元総理が日米地位協定締結時に米軍と結んだ基地権密約にまで言及。この午後の質疑の視覚化は後編の記事でお伝えしたい。

<文・図版・動画作成/犬飼淳 TwitterID/@jun21101016>

いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。最近は「赤黄青で国会ウォッチ」と題して、Youtube動画で国会答弁の視覚化に取り組む。

 犬飼淳氏の(note)では数多くの答弁を「信号無視話法」などを駆使して視覚化している。また、同様にYouTubeチャンネル(日本語版/英語版)でも国会答弁の視覚化を行い、全世界に向けて発信している

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:3/23(土) 9:57
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