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映画『パッション』の舞台にも、マテーラの洞窟住居

3/24(日) 12:02配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

「イタリアの知られざる世界遺産7選」第4回

見どころ:甦った洞窟の街

 イタリア南部バジリカータ州の街マテーラにある洞窟住居サッシ(イタリア語で石の意)には、旧石器時代から現在に至るまで、人が住み続けてきた。この場所は峡谷の縁に位置し、天然の岩場を掘った穴を利用して、住居、教会、修道院が積み重なるように造られている。1950年代には、居住環境が危険なことや衛生状態の悪化、病気などを理由に、住民はサッシから強制的に移住させられた。この街の悲惨な状況とそこに漂う絶望の空気を、画家のカルロ・レーヴィは著書『キリストはエボリで止まった』の中で、ダンテの地獄にたとえている。

ギャラリー:イタリアの知られざる世界遺産7選

 長年にわたる復興努力をへて、1980年代からはかつての住人たちが街に戻り始め、専門家による監督のもと、洞窟の修復が続けられた。サッシは1993年に世界遺産に登録され、その後まもなく、ささやかな観光産業が発達して、洞窟を利用したシックなホテルなども作られた。マテーラの独特の景観は、映画製作者たちの目にも止まり、たとえばメル・ギブソンは映画『パッション』の大半をこの場所で撮影している。

文=JUYOUNG SEO/訳=北村京子

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