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「ジェネレーションフリーの社会」の発想が、 年金制度の行き詰まりも打開するvol.1

3/25(月) 8:04配信

Meiji.net

「ジェネレーションフリーの社会」の発想が、 年金制度の行き詰まりも打開するvol.1

北岡 孝義(明治大学 商学部 教授)

少子高齢化によって、世代間扶養の公的年金制度は限界にきているという議論をよく耳にします。そこで、マクロ経済スライド制の導入など、様々な対策が考えられています。しかし、そうした対策には、本質的な問題に正面から取組む発想がない、という指摘があります。

◇いまの年金制度改革は、制度維持ありきで抜本的改革ではない

日本の公的年金制度が世代間扶養の賦課方式であるのは、若い人が高齢者を扶養するのは当たり前だ、義務だという、多分に儒教精神が背景にあるからでしょう。

以前は、若い人の人口が多い社会構造だったので、そうした精神を制度化しても無理なく受け入れられてきたわけです。しかし、ご存じの通り、少子高齢化で日本の人口構造は変わりました。

そこで、税金の投入であるとか、マクロ経済スライドの導入などの対策、また、年金保険料の積立金をリスク資産で運用するなどして年金財政の安定化を図ろうとしていますが、どれも場当たり的と言わざるを得ません。

特に、年金の原資となる積立金の半分以上を株式などのリスク資産で運用することには、唖然とさせられます。

実際、2015年には株安で運用に失敗し、5.3兆円もの損失を計上しています。いまは株高で回復しているようですが、その株高自体、この年金積立金の投入によって支えられているという面もあります。

株を買い支えるために年金積立金が利用されているようなものです。

しかし、リーマンショックのような金融危機が再び起きたら、今の運用方針のもとで損失がどれだけになるのか予測もつきません。

そのとき、積立金の損失に誰が責任をもち、誰がその損失を負担するのでしょうか。結局、しわ寄せは国民にくるのです。

つまり、いま行われているような対策とは、いまの年金制度をどうやって維持していくかということが前提で、少子高齢化社会という日本が抱える大きな問題に真正面から向き合い、抜本的解決につなげようという発想ではないということです。

※取材日:2017年12月

次回:働く高齢者は社会とのつながりを感じ、元気になる(3月26日8時公開予定)

北岡 孝義(明治大学 商学部 教授)

最終更新:3/25(月) 8:04
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