ここから本文です

なぜ日本最難関の東大医学部が、医師国家試験で合格率「55位」なのか

3/25(月) 6:00配信

文春オンライン

 3月18日、第113回医師国家試験の合格発表がありました。

 医学部は必修科目で1つでも単位を落とすと留年という、他学部出身者からは考えられない厳しさがあります。しかも国家試験の前には、医学部最後の関門となる卒業試験もありました。受験生は、試験が続く緊張の日々からようやく解放されたことでしょう。

【表】医師国家試験大学別合格率ランキング2019(1~43位)

栃木県の医大が7年連続トップに君臨

 受験者10146人のうち合格者は9029人、合格率は89.0%と約9割です。この合格率は毎年発表されており、毎年あまり変わりありません。では、大学別の合格率はどうだったでしょうか。

 医学部卒業生を送り出した80校のうち、1位は栃木県の「自治医科大学」でした。これで同大は7年連続1位となりました。合格率は99.2%。125人が受けて、不合格は1人だけ。新卒に限ると、合格率はなんと100%です。

 自治医大は1972年に設立された比較的新しい大学ですが、私は隠れた「名門校」だと思っています。なぜなら、各都道府県が指定した医療機関に一定期間勤めれば、入学金や修学資金が実質的に不要となるため、全国から超優秀な学生が集まってくるからです。

 私立といっても、同大は地域医療を担う人材を育成しようと各都道府県が共同で設立した公的な大学で、入学試験も都道府県別に2~3名しか選抜されません。そうしたこともあって、東大理3や慶應医学部に肉薄するほど偏差値が高いだけでなく、「地域に貢献する医師になる」というモチベーションの高い学生が集まってくるのです。

 それが、医師国家試験の合格率の高さにも反映しているのだと思います。私は自治医大出身の医師を何人も取材していますが、頭がいいだけでなく臨床医としても優秀な人が多い印象です。これからも、国試合格率でトップクラスの成績を維持していくのではないかと思います。

国試合格率は、医師になるモチベーションのあらわれ?

 合格率2位は「順天堂大学」(98.4%)、3位は「横浜市立大学」(97.7%)でした。順天大は前年4位、横浜市大は前年2位。この2校に限らず、ランキング上位にはだいたい毎年同じような顔ぶれの大学が並びます。

 医学部の教員の中には「国試合格率が高い大学は、国試対策の授業ばかりやっていて、まるで国試予備校だ」と批判する人もいます。実際、「国試と同じ形式で進級試験をつくるよう大学から言われる」という医学部教員の話も聞いたことがあります。

 もちろん、そのような面もあると思いますが、国試合格率が高いのは、やはり学生がモチベーションを落とさず、まじめに勉強した結果だと言えるのではないでしょうか。それに合格率の高い大学出身の医師には、自治医大と同様に臨床医として優れた人が多い印象があります。ですから、その点は素直に評価していいのではないかと私は思っています。

1/4ページ

最終更新:3/26(火) 0:09
文春オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事