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アポ電強殺犯を逮捕した「 警視庁SSBC部隊」頭脳捜査の実力

3/25(月) 7:00配信

現代ビジネス

 3人の悪党たちの手によって、なんの罪もない80代の女性が殺害された。現場に急行したのは警視庁の専門部隊「SSBC」。犯人たちを瞬く間に追い詰めた。今週発売の『週刊現代』では「SSBC」による頭脳捜査の内幕を紹介している。

大柄な二人組の男が来た

 東京・東陽町のファミリー向けマンションの管理人、木下伸二さん(仮名)のところに大柄な二人の男がやって来たのは、3月1日のことだった。

 手には、警察手帳と「深川警察署長」の印鑑が押された「捜査関係事項照会書」という名の書類。そこには、マンション名と住所の後に、刑事訴訟法に基づき、「管理組合が管理する防犯カメラ画像の閲覧、抽出の協力」を求める旨が記載されていた。

 「二人は、すぐ近くにある深川署の刑事ではなく『警視庁・捜査支援分析センター機動分析係』の捜査員だと名乗りました。うちのマンションには複数の防犯カメラがあり、そのうち一つが事件現場のマンションにつながる交差点を向いていた。

 それから5日間、二人は毎日うちの管理人室にやって来ては監視カメラの映像をチェックしながら、自分たちの機材に映像をコピーしていました」(木下さん)

 2月28日、東京・江東区のマンションの一室で加藤邦子さん(80歳)が、遺体で発見された。両手足を粘着テープやラップで縛られたうえ、顔にテープを巻き付けられ窒息死させられたとみられている。

 2月中旬頃、加藤さんは、自宅の電話に資産の有無を確認する「アポ電(アポイントメント電話)」がかかってきていたことを知人に相談していた。

 現場マンションは金品を探したような荒らされた形跡があったものの、指紋は残されておらず、部屋のインターホンも壊され、持ち去られていた。密室での犯行であり、犯人たちは、足がつくことはないと高を括っていただろう。

 しかし、3月13日、警視庁は強盗殺人などの容疑で、土木作業員の小松園竜飛容疑者(27歳)ら3名を逮捕した。事件発生から2週間弱というスピード逮捕だった。

 「事件発生の翌日、3月1日には深川署に数十人態勢の特別捜査本部が設置されました。今回、所轄署からの応援の捜査員に交じり、本庁の『SSBC』の分析捜査員たちも参加していたのです。

 早期解決に至ったのは、このSSBCの力に依るところが大きいと言われています」(全国紙記者)

 SSBCとは、警視庁の捜査支援分析センターの略称だ。冒頭の木下さんのところを訪ねた二人組の男たちも、ここの所属だった。

 『警視庁科学捜査最前線』などの著書がある、ジャーナリストの今井良氏が解説する。

 「SSBCは'09年4月に警視庁刑事部の附置機関として設立されました。防犯カメラ画像を収集、分析する『機動分析係』、現場でデータベースから捜査に役立つ情報の提供を行う『分析捜査係』などのチームがあります。

 現在のSSBCは約120人体制です。捜査一課や機動捜査隊などに在籍してきた警視庁プロパーの刑事出身者、民間から特殊技術を買われて中途入庁した特別捜査官から構成されています。前者と後者の比率は、6対4ほどです。

 プロパー刑事は捜査の経験やカンに優れている。一方で特捜官は大学院で画像解析などを学んだ経験があるなどデジタル技術に精通しています。お互いを補完するハイブリッドな組織なのです」

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最終更新:3/25(月) 7:00
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