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切り札→レギュラーへ邁進中。広島・曽根が狙う「ポスト菊池」

3/25(月) 10:01配信

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 新戦力についつい目が行きがちな開幕直前のプロ野球界。でも、もしかすると……ブレイクの可能性を秘める無名選手が、息を吹き返すベテランが現れるかもしれない。そんな期待を込めて、各球団のダークホース的な選手たちを集めてみました! 今回は広島東洋カープの曽根海成選手です。

【写真】開幕一軍! 小園海斗、そして中村奨成の高校球児時代。

 広島の選手として初めて開幕を迎えようとしているのは、新加入の長野久義や小園海斗だけではない。

 昨季途中にソフトバンクからトレード移籍した曽根海成にとっても、広島で迎える初めての開幕。プロ6年目のシーズンは、新たな可能性が広がっている。

 グラウンドで張り上げる声の大きさだけが、チームへの浸透度を表しているわけではないだろう。「ソフトバンク時代から自信はあった」と胸を張る脚力と守備力を併せ持ったプレースタイルは今や、広島野球に欠かせぬ1ピースとなっている。

ソフトバンク時代、一軍出場はわずか2試合。

 新天地で自分を表現することは簡単なことではない。実績がなければなおさら。ソフトバンクでの5年間で一軍出場わずか2試合の曽根が3連覇を狙う広島に加入したのは、昨年7月だった。

 ソフトバンクでは2017年に一軍昇格を果たすも、定着はならず、'18年は一軍出場はおろか二軍でも思うような出場機会を得られないでいた。

 だが、広島では、武器とする守備と足を存分に発揮し、25人のベンチ入り枠の中で存在感を示した。出番はしびれる試合終盤ばかり。

 「僅差になればなるほど、責任は大きい。できれば出たくないですよ」

 童顔をほころばせるも、一軍経験がほぼゼロだった曽根の本音だろう。

 まだ精神力が備わっていないのならば、開き直るしかない。やるかやられるか。やらなければ、生き残れないのがプロの世界。その厳しさは、昨季途中までいたソフトバンクで痛感させられた。ここで、生き残るためにも、緊張感や恐怖心を拭い去るしかなかった。

日本シリーズでのピンチバンター。

 日本シリーズ第5戦では、同点の延長10回無死一塁の場面で新井貴浩の代打で打席に向かった。役割はピンチバンター。古巣相手に、前本拠地で、新天地の大黒柱の代打……。これまでにないほどの重圧が両肩に乗っていただろう。曽根はソフトバンク加治屋蓮の4球目を見事に三塁線に転がした。重要な局面での難しい役割を涼しい顔でこなしたようにも見えたが、極度の緊張は試合後になってもおさまらなかった。

 「夜は緊張が残ってて、飯も食えなかったです。(バントを決めても)安心感はなかったです」。

 初めて経験する極度の重圧だった。

 途中加入で11試合、日本シリーズでも3試合に出場した。新天地1年目に初安打も初長打も、初盗塁も記録。充実感は数字だけでなく、表情にも表れる。

 「やっぱり一軍と二軍とでは全然違う。二軍で何10試合出るよりも、一軍で1試合出た方が得られるものも大きい」

 広島での半年で、曽根が得たものは計り知れない。

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最終更新:3/25(月) 12:36
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