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「獲るつもりのなかった選手」杉谷拳士が栗山監督に言わせたいひと言

3/26(火) 6:11配信

webスポルティーバ

 レギュラー定着への課題は、ムラをなくすことだ。杉谷は調子がいい時と、そうでない時の差が大きい。レギュラーとしてフルにやっていくためには、よくない時、疲れが出ている時を何とか凌いで、数字を極端に落とさないことが求められる。そして杉谷自身にもその自覚はある。

「僕はスイッチ(ヒッター)ですから、右がいい時と左がいい時があるんです。だから、いざ試合に出るとなった時、今日は相手が右ピッチャーだから左だけど、ヤバい、左がよくないって時があって、監督は『相手が右だからって左で打つことにこだわらなくても、好きにすればいいんだぞ』って言ってくれます。でも僕は、右ピッチャーに右で立つことによって、左ピッチャーの時によかった感覚を失うのがイヤなんです。そこから崩れていくこともありますからね。

それよりも、もちろん技術もまだまだなんですけど、僕はそれ以前に気持ちで負けていると思うんです。『よっしゃ、いいところを見せてやろう』と気負い過ぎていつものスイングができていなかったり、『ヤバい、ここで打てなかったらどうしよう』と受け身になって甘い球を見逃したり……。だから、予想もしていない時に監督から『ケンシ、行け』と言われて考える間もなく打席に立った時にはカーンと打てたりするんですよね。要は、いつも同じメンタリティで臨むということが大事だと思いますし、清宮(幸太郎)を見てたらわかりますもん。アイツ、チャンスで打てなくても平然とベンチに帰ってきて、『くっそー』とかニコニコしながら言ってるし(笑)、そういうところは見習わなきゃと思います」

 オープン戦の最後の試合、札幌でのスワローズ戦に“6番レフト”で先発した杉谷は、4度のチャンスをもらいながらノーヒットに終わり、打率も3割を切ってしまった。それでも今年の杉谷は、打つことに活路を見出そうとしている。

「僕には打つことしかないんです。守備うんぬんじゃなくて、打つこと。守備は今から劇的に変わることはありませんけど、打つことは劇的に変わることがありますからね。僕は1年でも長くプロ野球選手としてプレーしたいと思っていますし、監督からも『あとはケンシだけだよ』と言ってもらっているので、何とか恩返ししなきゃと思っています」

 ファイターズのセカンドの先発争いは、このオープン戦、石井一成、谷内亮太、平沼翔太、ベテランの田中賢介と杉谷がしのぎを削ってきた。レフトやファーストでも先発した杉谷だったが、今のチーム状況を考えると、スイッチヒッターの杉谷が出塁率.350、20盗塁をマークして、1年間、セカンドに収まれば、じつにバランスがよくなる。

「栗山監督も現役時代、プロの世界にテストで入って、スイッチヒッターで、足が速くて、不器用で(笑)……僕と重なるところがいっぱいあるんだと思うんです。だからこそ、監督に恩返しがしたい。シーズンが終わった時、規定打席に達して、監督から『遅いよ、お前』って言ってもらいたいんですよね」

石田雄太●文 text by Ishida Yuta

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最終更新:3/26(火) 11:08
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