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定説覆すカエルの性転換、米で発見、謎深まる

3/26(火) 11:32配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

周囲の環境に合わせて性別変える可能性も、米国の池18カ所で調査

 ある生きものが、オスとメスのどちらになるのかは、どうやって決まっているのだろうか? カエルの性別は、私たちが思っていたよりもずっと込み入っているようだ。

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 爬虫類や魚類などのように、環境によって性別が大きく左右される生物がいる。例えば、温かい砂の中で育ったウミガメはメスになりやすい。一方で哺乳類の性別は、遺伝的性質との結びつきが強い。子宮にいる時点でオスの遺伝子型なら、オスになる可能性が高い。

 カエルなどの両生類は、その中間に位置している。性別は主に遺伝で決まるものの、環境の影響も受ける。実験室では、合成エストロゲンや除草剤といった特定の汚染物質によって、遺伝的にはオスのカエルがメス化するという結果が出ている。

 こうした現象が野生でも起こることをうかがわせる研究結果が出始めている。2014年に学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された論文では、米国で汚染物質を多く含んだ排水が郊外の池に流れ込むことで、オスのオタマジャクシがメスに変わっている可能性が示された。

 そして同じ研究グループが調査を続けたところ、比較的自然が保たれた森の中の池でも、性転換が起こっていることが分かった。少なくともこの種では、性転換は自然現象なのかもしれない。

 2019年2月に学術誌「PeerJ」に掲載された研究では、調査した水域の大部分で、性転換したカエルが見つかっている。また、池の周囲で人間による開発が進んでいる度合いと、性転換したカエルの割合には関連が見られなかった。

「これは単に汚染についての話ではありません。周囲の環境に合わせてカエルが性別を変える可能性が示唆されています」。オーストラリアのマッコーリー大学およびシドニー大学の研究者、リック・シャイン氏はこう話す。“環境”には温度の変化や、その他の要因が含まれる可能性があるという。

「カエルにしては、非常に高度な仕組みのように思えますが、こうした高度な仕組みが数種のトカゲにもあることが、近年の研究で報告されています」とシャイン氏は話す。同氏は今回の論文には関わっていない。

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