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銃乱射生存者2人と犠牲者の父親が相次いで自殺

3/26(火) 18:36配信

ニューズウィーク日本版

<銃乱射関連の自殺が1週間で3件、アメリカの病気が生んだ銃の「2次被害者」たち>

2018年2月にフロリダ州パークランドの高校で銃乱射事件が起き、生徒14人、教師3人が犠牲となってから1年あまりが過ぎた。その際に生き残った生存者2人が、ここ1週間のうちに続けて自ら命を絶った。

地元警察の発表によると、銃乱射サバイバーの女性シドニー・アイエロ(19歳)が3月17日に自殺してから1週間後に、別のサバイバーが自ら命を絶ったと発表した。2人目の自殺者の名前と死因は明らかにされていないが、男性で、銃乱射事件の現場だったマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の2年生だったという。

2018年に同校を卒業したアイエロは、犠牲者のひとり、メドウ・ポラックの親しい友人だった。アイエロの両親によれば、娘は「サバイバーズ・ギルト」(事故や事件の生存者が、自分だけが助かったことに罪悪感を持つこと)に悩まされ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)だと最近診断されたところだった。

さらに今週月曜には、2012年にコネティカット州ニュータウンのサンディフック小学校で起きた銃乱射事件で1年生の娘アビエールを失ったジェレミー・リッチマン(45)が町の集会所で死んでいるのが見つかった。警察は詳細を明らかにしていないが、自殺とみられる。

神経薬理学者のリッチマンは、事件後、アビエールの名を冠した財団を創設し、暴力をなくす活動をしていただけに、地元ではショックが広がっている。

10代と成人の心の健康を見守り、自殺防止に取り組む非営利組織「ジェド基金」の最高医療責任者(CMO)ビクター・シュワルツは、「身近な人の死に直面しただけで、自殺のリスクは少し高くなる。サバイバーズ・ギルトがある場合、さらにリスクが高くなるのは自然なことだ」と述べた。

シュワルツはさらに、パークランドの生徒たちは、銃規制の必要性を訴える仕事を驚くほど見事に果たしてきたが、いまだに悲しみと苦悩を抱えていると話す。「同校の生徒の多くは、いまでもPTSDのような症状で苦しんでいるはずだ。そうでないはずがない」

■底知れぬ悲しみと苦悩

アメリカ精神医学会はPTSDを、「戦争や自然災害、事故、テロ攻撃、性的暴行やそのほかの暴力行為といったトラウマ的な出来事を経験あるいは目撃した人に見られる可能性がある精神障害」と定義している。親しい友人や家族、パートナーを亡くしたあとにPSTDになることもある。学校の銃乱射事件で生き残った人の中には、負傷や被弾がなくてもPTSDの症状で苦しむ人たちがいるが、それは死体を見たり、同級生が撃たれたり負傷したりするところを目撃したことなどが原因だという。

PTSDの症状は通常、トラウマになるような出来事が起きたあと、最初の3カ月以内に始まるが、数年経ってから苦しみ始めることもある。症状は1カ月以上続き、人間関係や仕事で問題を引き起こす場合もある。医師によれば、症状の経過はまちまちで、治療をして6カ月以内で治まる人もいれば、何年も続く人もいるという。

PTSDの症状には以下のようなものがある。

侵入思考:無意識のうちに、嫌な記憶が蘇る、悪夢を見る、事件のフラッシュバックが起きるといった状態が続く。フラッシュバックが鮮明すぎる場合、その出来事を追体験あるいは再体験しているような気持ちになることがある。

回避症状:PTSDで苦しむ人々は、出来事の記憶を呼び覚ます可能性のある場所や人、行動、物事、状況を避けようとすると言われている。また、出来事に関係した感情について話したがらない。

否定的な思考と感情:PTSDの患者は、自分自身や他人について歪んだ考えを持ち、「だれも信頼できない」「自分は悪い人間であり、生きている資格がない」などの思いを抱くことが多い。また、大きな音や強い光などに恐怖心を感じる状態が続く。生き残ったことに対して強い罪悪感を抱き、恥だと思う。かつて楽しんでいたことへの関心を失い、親しい人から切り離されたような孤独感を持つ。

興奮状態と反応性症状:PTSD患者は苛立ちや怒りを感じやすく、ささいなことで感情を爆発させる。また、無謀な行動や自己破壊的な態度をとることがある。小さなことに驚き、同じ出来事が再び起きるのではないかとつねに不安を抱えている。集中困難や睡眠障害も見られる。

パニック障害やうつ症状、薬物乱用、自殺願望、重度の不安も、PTSDに多い症状だ。

PTSDは完治できないが、治療は可能であり、投薬や心理療法によって抑制できる。

(翻訳:ガリレオ)

マドハール・デイブ

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