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米津玄師、最新ライブで見せた人となり

3/26(火) 21:43配信

GQ JAPAN

11分間のMC

米津は中盤以降、曲によっては飛び跳ね、MC(トーク)ではバンドメンバーや観客とのやり取りを通して口もとに笑みをみせた。ただ、最後まで目もとは長い前髪に隠れたまま見えずじまいに終わった。表情はわからなかったけれど、終盤にかれが話したMCを要約する。

それは、2018年に体験した環境の変化と今後の音楽活動についてのもので、11分の長きにわたった。

まず、2018年はドラマ主題歌になったシングル「Lemon」の大ヒットがあったことに触れた。YouTubeのミュージックビデオ再生数は2億回を越え(2019年に入って3億回を突破)、年末にはNHK紅白歌合戦に初出場、地元・徳島の大塚国際美術館からライブ中継を行なった。米津は「おじいちゃんやおばあちゃん、ちっちゃな子供たちにも自分の歌が届くようになった」と振り返る。

「広がりがある一定ラインを超えた先からは現実味がなくなって他人事のようですらありました。けれど当たり前のことだと錯覚せずに、感謝の気持ちを忘れずに生きていかなくてはなあと思います」

その後、話はアーティストとしての心構えへと移っていった。かれは「常に変化していきたい」という。

「時代に寄り添いながら変化していくことは美しいことだと思う。音楽をつくっていくうえで自分もそうありたい。時を重ねて『丸くなる』というのは、根本にあるものは変わらず付き合い方が変わるということなのだと思います。そして変わってしまったと離れていく人も自分は放っておけない。自分の活動を大きな船だとすると、その船から誰も落としたくない。誰一人落とさない気持ちでできる限り活動していきます」

アンコールの最後の曲「灰色と青」の途中、バンドの背後にある巨大モニターに大海原の映像が映し出された。太陽の日差しが反射してキラキラと宝石のように光る映像だった。かれにとってライブツアーは航海なのかもしれない、とそのとき思った。今回のツアーでは、国内8都市16公演で17万人を動員した。

米津玄師は初の海外2公演に臨んでいる。3月19日には上海のメルセデス・ベンツアリーナ公演をおこなった。つづいて同30日には台北・台湾大学綜合体育館にてライブを行なう。

『2019 TOUR 脊椎がオパールになる頃』
SET LIST
01. Flamingo
02. LOSER
03. 砂の惑星
04. 飛燕
05. かいじゅうのマーチ
06. アイネクライネ
07. 春雷
08. Moonlight
09. fogbound
10. amen
11. Paper Flower
12. Undercover
13. アリス
14. ピースサイン
15. TEENAGE RIOT
16. Nighthawks
17. orion
18. Lemon

ENCORE
EN1.ごめんね
EN2.クランベリーとパンケーキ
EN3.灰色と青

文・沖浦裕明(GQ)写真・太田好治、立脇卓

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最終更新:3/27(水) 11:26
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